「マックのコメダ化、コメダのマック化」近づく両雄、ガチンコ対決を制するのは?:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
マクドナルドの「コメダ珈琲化」が加速している。いや、コメダ珈琲も「マクドナルド化」が加速している。どういう意味かというと……。
「夢のビッグマッチ」はどうなる?
このような負けパターンがあることを、すかいらーく創業者で、「ファミレス界のレジェンド」と呼ばれる横川竟氏はこう言っている。
『ファミレスがだめになったのは、ファストフードのマネをして、安売りを始めてしまったのが原因です。僕は「食堂化」と言っています。価格勝負になると、ファストフードには勝てません』(日経ビジネス 2022年8月30日)
ちなみに、すかいらーくグループを離れた横川氏は現在、「高倉町珈琲」という高品質な珈琲や食事を癒しの空間で提供するというレトロ喫茶店チェーンを展開している。「安売り」を否定していたように、同店のコーヒーは一番安くても540円、ブルーマウンテンなどは900円で、ディナーセットは1800円だ。
果たして、横川氏が主張するように、マックのマネをするコメダが敗れるのか。それとも、止まらない勢いのコメダが、外食の巨人マックに膝をつかせるのか。
いずれせよ、今の日本の外食チェーンの中でも、ファン垂涎(すいぜん)の「夢のビッグマッチ」であることは違いない。次に仕掛けるのはどちらか。互いの戦略に注目したい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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