連載
「縮むニッポン」に適したビジネスは何か “盗まれない”最強の産業:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
人口が急激に減少していることを受け、さまざまなサービスが縮小している。多くの業界が厳しい環境に置かれているが、そんな中でも他国から「盗まれない」産業がある。それは……。
人口減で観光資源に強み
いずれにせよ、これから人口が急速に減少していく日本で生活エリアの集中化が進んでいくのは間違いない。地域内の住民は一カ所に集まっていくので、外国人観光客が押し寄せる人気観光地や、観光客が利用するホテルなどがある商業エリアとの棲み分けも進んでいく。つまり、ゾーニングが進んで観光公害が軽減されていくのだ。
そこに加えて、人口が減れば日本の観光資源の強みがさらに発揮される。生活エリアの集中化が進んで人が住まないエリアが増えることは、住宅分譲地をつくるために山を切り開くような開発にブレーキがかかるということなので、日本の豊かな自然が復活していく。これは実は日本の観光ビジネスにとって最強の武器になる。
富士山を登る外国人観光客が増えていることからも分かるように、エコツーリズムは世界的にも人気だ。日本も豊かな自然を整備して、米国の国立公園のように、それなりの入場料を徴収して、キャンプやツアーを楽しめるようにすれば、これまで以上に外国人観光客を呼び込める。
また、海外にもファンが多いジブリ作品や新海誠監督の作品では必ずといっていいほど、日本の美しい自然が描かれるている。それを目当てにやって来る外国人観光客も多いが、わりとガッカリされることが多い。現実の日本の田舎はコンビニがあふれて、アニメで描かれるほど美しくないからだ。このような問題が生活エリアの集中化で解決されるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。
ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」の共通点は何か 両社がハマった沼
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」が苦戦している。贅沢品を扱う両社はなぜ低迷しているのか。共通点を探してみると……。
キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。
