「ジェンダーレス水着」はなぜ誕生した? 背景にスクール水着の進化、男子が隠していた悩み:一般販売も開始(2/4 ページ)
男女のデザインが同じジェンダーレス水着「男女共用セパレーツ水着」が話題になった。背景にはスクール水着の進化があるという。開発に踏み切った経緯とは?
女子はワンピースタイプが主流だった
同社が開発してきた水着の歴史を振り返ってみよう。
1978年、フットマークはワンピースタイプの女子用スクール水着を発売した(色は紺色)。男子は競泳型(ブーメラン型)だ。
1983年に発売した「ツーウェイ水着」はデザイン性を向上させるため、女子の水着に白いラインを入れている。
1993年になると「アクアラインスイムスーツ」が登場する。水着に蛍光色のラインが入っているのが特徴だ。目立つ色を入れることで、プールでの水難事故を防ぐ狙いがあったという。
さまざまな変化はあったが、全体として肌の露出が多いという点は変わらない。
水着に求められた付加価値
2000年以降になると、機能性などの面で新しい付加価値をつけた水着が登場するようになる。一律のデザインや、性別で分けた水着を強制するのではなく、個人が着用したいものを尊重する流れが強まっていった。フットマークによると、この時期から体育の授業で女子のブルマが姿を消し、ハーフパンツに移行していったという。
2000年、同社は女子向けに「スクールフィットネス」を発売した。ワンピースタイプだが、従来の水着より肌の露出が少ない。「肌の露出が多いワンピースタイプは嫌だ」と考える人が増えていたことから、同社ではそのニーズに対応した大人向けの水着を発売していた。子どもにも同じようなタイプの水着が支持されるのではないかと考え、開発したという。
その後、スクールフィットネスを導入した小学校の教師から「ぬれた水着が肌に張り付いてしまい、着替えに時間がかかる。なんとかしてほしい」という要望が寄せられた。そこで、同社では2002年、上下が分離した「スクールセパレーツ」を発売した。露出が控えめという特徴はそのままだが、分離しているため着替えがしやすく、トイレも楽というメリットがあった。また、上下サイズを別々に選べるため、生徒の発育段階に応じた買い替えもできる。
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