カンロが「10代向け」の飴を発売 100回以上も試作を重ねて実現したかった要素とは?:商品名は「透明なハートで生きたい」
カンロが新商品「透明なハートで生きたい」を発売する。Z世代の高校生と共同開発したもので、10代に向けた工夫を凝らしている。中でも実現するために100回以上の試作を重ねた要素があるようで……。
カンロ(新宿区)は5月16日、全国のコンビニおよび駅売店で新商品「透明なハートで生きたい」を発売する。Z世代の高校生と共同開発した商品で、参考価格は149円、内容量は23グラム。
透明なハートで生きたいは、同社の主力ジャンルであるあめ(キャンディー)の商品。同社が発表した2022年12月期決算によると、キャンディー市場全体における同社のシェアは12.2%で業界トップを誇る。同期はあめ領域で134.2億円の売り上げを計上しており、増収率は前期比で11.2%と好調を見せている。
一方で、あめは若い世代にとって親しみが薄い商品といえる。さらなる成長に向けては、これまで取り込めていなかった若年層にリーチする必要がある。こうした点を背景に、同社は「Z世代 飴の原体験共創プロジェクト」を発足し、社員間や高校生を交えた座談会を実施し、現状の課題や若者の考えなどを調査してきた。
プロジェクトでは現役高校生でモデル・タレントを務める3人を「キャンディディレクター」に任命し、コンセプトや味、パッケージといった商品開発を共同で進めた。あめのプロである自社のノウハウと、高校生ならではのアイデアを合わせることで、10代があめの価値を再認識するタッチポイントとなる商品に仕上げた。
新商品では、パッケージを6種類用意した。また、あめにはSNSのスタンプなどで若年層が触れる機会が多い「ハート」の形を採用し、色味にも雑貨などで人気の「透明色」を取り入れた。あめは製造工程で気泡が入りやすいことから、透明感を出すのが難しい商品とされるが、およそ120回におよぶ試作を重ねてコンセプトに合う色味を実現したという。また、商品名から「あめらしさ」を排除し、インパクトのあるものにしたことで、SNSでの拡散も狙う。
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