モバイルで苦境の楽天、「公募」と「第三者割当」による増資を発表 それぞれどういう意味?:時事ワード解説(2/2 ページ)
楽天グループが、「公募増資」および「第三者割当増資」を発表しました。この公募増資と第三者割当増資、どういう意味か答えられますか? 似た言葉に「株主割当増資」があります。
「公募」「第三者割当」の意味
「公募」による増資とは、企業が資金調達する手段の一つで、一般の投資家を対象に、時価基準の価格で株式を発行・売り出すことを指します。広く売り出せることから、多額の資金調達が可能です。資金調達のほかには、株主層の拡大や株式の流通量増加といったメリットがあるとされます。「Public Offering」の頭文字から「PO」と表現されることもあります。
もう一方の「第三者割当」による増資は、既存の株主かどうかを問わず、法人や個人など特定の第三者に有償で新株を発行することを指します。楽天グループが発表した内容によると、今回の割当先は会長兼社長である三木谷浩史氏が関係する「三木谷興産」、ならびに「スピリット」、加えて「サイバーエージェント」と「東急」です。
公募と第三者割当と近いものに「株主割当」による増資があります。株主割当増資は、既に自社の株式を保有している特定企業や機関投資家に向け、持ち株割合に応じた新規発行株を有償で割り当てるものです。
公募増資、株主割当増資、第三者割当増資は、いずれも「エクイティファイナンス」と呼ばれ、金融機関や投資家から借り入れることによって資金調達する「デットファイナンス」と区別されます。前者は原則として株主に出資金を返還する義務がない一方、後者では返済義務を負う必要があります。
楽天グループは、今回調達する資金の使途として、6月以降に償還期限を迎える社債や楽天モバイルへの投融資資金などを挙げています。同社は特にモバイル事業における基地局整備の投資などがかさんでいました。これに伴う負債も増えており、手元資金の調達ニーズが高まっていることから、大規模な公募増資に踏み切ったと見られます。
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