“香川県行き”なのに ジャンボフェリーあおいに「うどん禁止?」マークがある理由:宮武和多哉の「乗りもの」から読み解く(3/3 ページ)
ジャンボフェリーあおいに「うどん禁止?」マークがある。うどんが名物の香川県に行くフェリーが、うどん禁止? 理由を聞いた。
オリジナリティーあふれる「ジャンボフェリーのうどん」
新造船「あおい」はうどんメニューにもこだわる。
船内売店で出されているのは、スライスしたレモンを乗せて浸しながら食べる「さぬきレモンうどん」「冷やしレモンキーマうどん」、小豆島・金両しょうゆの揚げ煎餅が入りの「島うどん」など。うどん県・香川県でもそう見かけない、個性あふれるメニューがそろっている。しかし、実際の売れ筋はシンプルな「かけうどん」「かやくうどん」だそうだ。
なお、これらのうどんメニューも、船内売店のメンバーが話し合って考案したとのこと。また「讃岐レモンうどん」などに使うレモンは、香川県三豊市産の曽保(そほ)レモンを使用している。発売当時は「弊社社長が栽培」というPOPを掲げ、ジャンボフェリーの山神正義社長が自ら栽培したレモンを使用していたとのこと。社長・社員を問わずグループ総出で、ワクワクできる新造船を作り上げた様子がうかがえる。
移動手段としてコスパ・使い勝手が良いジャンボフェリーを、四国への出張・旅行で使ってみるのはいかがだろうか。取りあえず「うどん禁止」ではないことは確かなので、オリジナリティーあふれるうどんを、専用の飲食スペースで味わってみるのも良いだろう。
宮武和多哉
バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。幅広く各種記事を執筆中。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護に現在進行形で対処中。
また「駅弁・郷土料理の再現料理人」として指原莉乃さん・高島政宏さんなどと共演したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など。23年夏には新しい著書を出版予定。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
低迷続きの福岡「七隈線」が、たった「1.6キロ」の延伸で「超混雑路線」になったワケ
開業から20年近く低迷が続いていた福岡「七隈線」が「超混雑路線」に変身? 背景には距離にしてたった1.6キロの延伸開業がある。
東京駅から羽田空港がたった18分! 「羽田空港アクセス線」でどうなる? 京急・東京モノレール
東京駅〜羽田空港間を結ぶ鉄道「羽田空港アクセス線」(仮称)が、2023年6月から工事に入る。首都圏の広い範囲から羽田へ乗り換えることなくアクセスが可能に。現状移動を担う京急・東京モノレールへの影響はあるのだろうか。
東急・相鉄新横浜線が開通で変わる「シンヨコ」 「住みたい街」への影響は?
東急・相鉄新横浜線が開通で変わる「シンヨコ」。その影響か、住みたい街ランキングで過去最高の64位をマークした。シンヨコはどうなる?
100円稼ぐのに「海鮮丼」並みの経費…… 北海道・留萌から「鉄道消滅」の理由
2023年3月末、留萌市から鉄道が消滅する。かつては一大ターミナルだった「留萌駅」。なぜ消滅に至ったのか、乗り物全般ライターの宮武和多哉氏が解説する。
モス、営業利益98%減の衝撃 「手作り感」にこだわるジレンマ
モスバーガーが赤字に転落した。原材料費の高騰や急速な円安によるコスト増が利益を圧迫したが、同社特有の事情もある。消費経済アナリストが解説。


