台頭する「カルビ丼」専門店 吉野家HDも参戦 「東京チカラめし」との違いは?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
ファストフード業態として「カルビ丼」が台頭している。吉野家と焼肉きんぐの運営会社がそれぞれ参入。かつて隆盛を誇った「東京チカラめし」との違いはどこにあるのか。
牛丼、天丼、かつ丼に次ぐ丼物のファストフード業態として、カルビ丼が新たに台頭してきている。
「焼肉きんぐ」の物語コーポレーションが、2021年8月よりカルビ丼とユッケジャンスープをメインにした「焼きたてのかるび」を新しく展開し始めた。
それに対して、吉野家ホールディングスも負けじと、23年2月にカルビ丼とスンドゥブの専門店「かるびのとりこ」を新提案した。
焼きたてのかるびも、かるびのとりこも、店名だけ聞けば焼肉店のようであるが、カルビ丼をクイックに提供する焼肉店や韓国料理店を簡素化した店という点が共通している。
さらには、カルビ丼とスン豆腐(スンドゥブ)の専門店として、「韓丼」というチェーンがある。このチェーンは13年前に京都より展開を始めており、株式会社やる気(京都市)が経営している。
いずれも入口で食券を買う方式で、先に精算。注文カウンターで食券を渡して、料理ができ上がるのを待つ。注文を受けてから料理をつくるので、提供まで若干の時間がかかる。
ハンバーガーになぞらえると「モスバーガー」や「フレッシュネスバーガー」のような業態で、ファストフードというよりも、ファストフードとファミレスの中間的な、ファストカジュアルに分類される。米国で最も勢いがある外食が、ファストカジュアルといわれる。
これら3店は、カルビを平仮名で「かるび」と表記したり、スンドゥブをスン豆腐と表記したりと、違いを出そうとはしている。しかし、結果的にかもしれないが、よく似ている。
焼肉を丼にして提供する店というと、今は東京から消滅してしまった、焼き牛丼の「東京チカラめし」が思い起こされる。
東京チカラめしは11年に東京・池袋に1号店を出店して以来、怒涛(どとう)の快進撃で一世を風靡(ふうび)。わずか1年3カ月で100店を突破したが、スタッフの教育不足による店舗運営やサービスのレベル低下などが原因で、急速に衰退。現状は、千葉県鎌ヶ谷市と大阪市に2店が残るのみだ。
カルビ丼専門店は、東京チカラめしの失敗を乗り越えて、吉野家や焼肉きんぐのように日本を代表する外食チェーンとなって、輝くことができるだろうか。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - なぜ女子の半分が泳いでないの? ジェンダーレス水着の開発者が語った“忘れられない光景”
フットマークのジェンダーレス水着が話題になっている。性の悩みだけでなく、さまざまな理由で「肌を隠したい」生徒のニーズに対応するのが狙い。開発者にその背景を聞いた。 - トイレ利用後に買い物しない人が約4割!? ローソンがトイレの扉にアートステッカーを貼った背景
全国のローソン店舗のトイレ付近に、アートステッカーを貼る取り組みを始めた。トイレをいつもきれいに使ってくれる人への感謝を示す。背景にあるコンビニトイレの課題とは? - ファミレスは危機に陥っている!? サイゼリヤとガストで明暗が分かれたワケ
ファミレスの2大巨頭「サイゼリヤ」と「すかいらーくHD」。すかいらーくの主力であるガストが、サイゼと比べて業績面で苦戦している。背景には何が? - コストコさん、うちにも来て! 激化する誘致合戦 出店ラッシュはいつまで続く?
各地の自治体が、熱心にコストコを誘致している。どういった背景があるのか、各市町村の担当者に聞いた。モテモテ状態はいつまで続くのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.