台頭する「カルビ丼」専門店 吉野家HDも参戦 「東京チカラめし」との違いは?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
ファストフード業態として「カルビ丼」が台頭している。吉野家と焼肉きんぐの運営会社がそれぞれ参入。かつて隆盛を誇った「東京チカラめし」との違いはどこにあるのか。
焼肉きんぐ系列「焼きたてのかるび」
焼きたてのかるびは23年6月2日、8店舗目である西尾今川店を愛知県西尾市にオープン。7店舗目の越谷花田店を5月29日、埼玉県越谷市にオープンしたばかりで矢継ぎ早に出店を急いでいる。
1号店は、21年8月、愛知県豊橋市に豊橋北山本店をオープン。
以降、22年には愛知県岡崎市に岡崎北店、埼玉県ふじみ野市にふじみ野店、愛知県春日井市に春日井若草通店、名古屋市に名古屋平手店と、4店がオープンした。
23年に入って、5月には名古屋市に名古屋土古店がオープンしていて、越谷花田店、西尾今川店と続く。
現状は、愛知県に6店、埼玉県に2店と計8店だが、このまま順調ならば全国に展開していくことになるだろう。
経営するのは物語コーポレーション。同社は全国に約300店ある、焼肉食べ放題の焼肉きんぐがブレーク中。ラーメンの「丸源ラーメン」も全国に約200店あって好調だ。寿司としゃぶしゃぶの「ゆず庵」も約90店ある。
焼肉きんぐが順調なうちに、次の収益の柱を育てておくのは重要だ。同社は、新業態にもさまざまにチャレンジしていて、ふじみ野店は以前、「焼肉ライク」を彷彿(ほうふつ)とさせる1人焼肉を定食スタイルで提供する「かるびとはらみ」という名の店だった。しかし、かるびとはらみは思ったようには行かなかったようで、焼きたてのかるびに転換された。
焼きたてのかるびは、熟成肉を使用した「焼きたてのカルビ丼」と牛テールをじっくりと煮込んだ「ユッケジャンスープ」の専門店。
焼肉きんぐの食材やノウハウを活用して、展開できそうな業態だ。
メニューは簡素化されていて、ほぼ2つの看板料理とそのトッピング、サイズ変更、ごくわずかなサイドメニューだけである。
看板メニューの「焼きたてのカルビ丼」(並490円)は、店員が注文を受けてからカルビ肉を強火で一気に焼き上げる。牛肉本来のうまみと香ばしさを引き立てる提供法を取っている。
タレは20種類の調味料を配合。甘味、辛味、酸味のベストなバランスを考えて仕上げた。
もう1つの看板メニュー「ユッケジャンスープ」(590円)は、牛テールをじっくり煮込んだテールスープに、からさが特徴の韓国合わせみそとコチュジャンで味に深みを持たせている。
丼は3つのサイズが選べて、値段が異なる。焼きたてのカルビ丼に旨塩ねぎ、キムチ、炙りチーズ、ねぎ玉をトッピングした丼、厚切りの「上カルビ丼」もある。
ユッケジャンスープは200円を足せば、ご飯、キムチ、韓国のりが付いたご飯セットになる。からくなくて白い「たっぷり野菜スープ」もある。
その他、盛岡冷麺、サラダ、子ども向けのラーメンやそぼろご飯などがあって、家族連れでも楽しめるようにしている。
お得な、カルビ丼とユッケジャンスープ(小)などとのセット(730円〜)も用意している。
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