天下一品も参入? ラーメン×カレーの“二刀流”を実現する外食チェーンはどこか:スピン経済の歩き方(3/4 ページ)
ラーメンチェーン「天下一品」がレトルトカレーを販売している。商品名は「こってりカレー」。お世辞にも「主力商品」とは言えないが、ひょっとしたらひょっとして人気商品になるかもしれない。というのも天一のスープはこってりしていて……。
消費者は振り向かない
なぜ大手ラーメンチェーンのカレー二刀流は成功しないのか。いろいろな意見があるが、筆者はやはり絶対王者「ココイチ」の影響だと思っている。日本人が考えるいわゆる定番のカレーライスに関しては、全国で1247店舗(2023年2月末)を展開する「カレーハウスCoCo壱番屋」の独壇場となっている。
ちなみに、吉野家は全国1206店舗(23年5月末)である。そんな牛丼以上の“カレーインフラ”が全国津々浦々に張り巡らされている中で、ラーメンチェーンが「ココイチとそれほど変わらない普通にうまいカレー」を出しても消費者は振り向くだろうか。
振り向くわけがない。ラーメンチェーンで牛丼を出されても、「やっぱり牛丼だったら吉野家とか松屋だよな」と思うように、「カレーだったらココイチに行くか」となってしまうのではないか。
裏を返せば、ラーメンチェーンが「カレーとラーメンの二刀流」を実現するとしたら、「普通にうまい町中華カレー」ではなく、ココイチやファミレスでは決して食べることができない「クセの強い唯一無二のカレー」を開発しなくてはいけないということだ。
だからこそ、筆者は天下一品に勝機があると思っている。「ジョブチューン」の中で審査をしていた一流料理人も言っていたが、天下一品のファンは「ラーメンを食べに行く」とは言わない。「天一を食べに行く」と言う。他のラーメンと異なる独自のカテゴリーを作っているのだ。
関連記事
- スシローは「6700万円の損害賠償請求」を止めるべき、3つの理由
回転寿司チェーン「スシロー」を運営する「あきんどスシロー」が揺れている。備えつけの醤油の差し口や湯呑みを舐めまわしていた岐阜県の少年に対して、約6700万円の損害賠償を求めていることが明らかに。この対応は「吉」と出るのか、「凶」と出るのか。 - バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。 - 「乃が美」と「いきなり!ステーキ」の共通点は何か 両社がハマった沼
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」が苦戦している。贅沢品を扱う両社はなぜ低迷しているのか。共通点を探してみると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.