「スペースインベーダー」誕生45周年 空前の大ブームになった理由:経済の「雑学」(2/2 ページ)
「スペースインベーダー」が誕生45周年を迎えた。1970年代当時、日本では若年層を中心に空前のブームとなったが、ヒットの要因は何か。
相手も攻撃 “双方向”の斬新さが利用者の心つかむ
そんなスペースインベーダーがヒットした要因は何か。謎をひも解くキーワードが「双方向」だ。当時、ゲームの主流は、制限時間内に的を狙い、そのスコアを競う、いわば「的当てゲーム」のようなものだった。プレイヤーが一方的に攻撃するというスタイルだ。
これに対し、スペースインベーダーは、プレイヤー自身が攻撃するだけでなく、敵の宇宙人もプレイヤーを攻撃するという双方向システムを採用。敵からの攻撃を回避するとともに、敵を全て撃墜することを目的にしていた。タイトーによると、こうしたスタイルは「当時としては斬新だった」という。スキル上位者になるほど1プレイのプレイ時間が長くなる仕組みだった点も中毒性があり、ファンを生むことにつながった。
双方向を採用したことから、スペースインベーダーは「シューティングゲームの元祖」として、その後のゲームに大きな影響を与えた。実際、シューティングゲームのジャンルではないものの、ファミコンの代表的作品「スーパーマリオブラザーズ」も敵キャラが攻撃するようになっており、今やゲームで当たり前になったスタイルとして定着している。
ゲーム内容以外にも、日本で初めてプログラムに著作権が認められ、日本におけるソフトウェア保護の流れに貢献した他、全世界で26万台(違法コピー品30万台を含めると50万台以上という説も)を出荷したことで、ゲーム市場の規模拡大にも寄与したともされている。
80年代半ばにもなると一時期のブームは過ぎ去ったものの、家庭用ゲーム機、スマホゲームなどその後も時代に合わせて姿・形を変え、タイトーの代表的作品として登場している。その功績から2020年3月26日には「最も長く続いているビデオゲームシリーズ」として、ギネス世界記録の認定を受けた。
ゲーム市場の調査を手掛けるオランダのNewzoo International B.V.の調査によると、22年の世界のゲーム市場規模は1844億ドル(1ドル=145円レートで約26兆7380億円)に達したという。45年前の6月、タイトーが発表した、双方向という画期的なシステムを採用したスペースインベーダー。その功績はゲーム史の中で、永遠に輝き続ける。
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