ミスドの絶対王者「ポン・デ・リング」 なぜ8つの玉が連なっているのか?:経済の「雑学」(1/2 ページ)
ミスタードーナツの人気商品「ポン・デ・リング」。なぜ通常のリング型ではなく8つの玉が連なっているのか。商品のもちもち食感と密接な関係がある。
ミスタードーナツの人気商品「ポン・デ・リング」は2003年1月に誕生して以来、ずっと販売数量1位だ。発売アイテム数は236アイテムで、累計販売数は35億個だという(23年5月末時点)。
まさに“絶対王者”ともいえるポン・デ・リングだが、なぜ通常のリング型ではなく8つの玉が連なっているのだろうか。ミスドを運営するダスキンが6月に開催したポン・デ・リングの新商品発表会で、開発の経緯を説明した。
ポン・デ・リング開発の背景
ポン・デ・リングが誕生する前、ミスドの売れ筋は1970年代の創業時から販売されてきたドーナツが中心だった。新しいドーナツは期間限定で投入することが多かったこともあり、新しい柱となるような商品の開発を決めたという。
どのようなドーナツをつくるのか検討するため、同社は当時人気があった商品を分析した。
エンゼルクリームやハニーディップは「しっとり食感」だ。ふんわりと柔らかい食感で、豊かな発酵風味が特徴。イースト菌の発酵力で膨らむドーナツだ。
オールドファッションやチョコファッションは「サクサク食感」。サックリした食感で歯ごたえがあり、満足感も得られる。ベーキングパウダーのガスで膨らむドーナツとなっている。
フレンチクルーラーやエンゼルフレンチは「ふんわり食感」が支持されていた。卵の気泡力とでんぷんで膨らみ、ふんわりとした食感がある。卵を特に多く使用しており、口当たりの良さが特徴だ。
同社はグループインタビューの結果なども踏まえ、新しい食感のドーナツが求められていると分析した。
関連記事
- ミスド、「白いポン・デ・リング」発売 実は20年間ずっと人気1位 揚げても「白」に苦労
「ミスタードーナツ」は「白いポン・デ・リング」を期間限定で販売する。ポン・デ・リングは発売してからずっと人気1位の商品。20周年を記念して開発した。 - 低迷していた「ミスド」なぜ復活? 背景に、第三次ドーナツブームと行列のできる人気店
低迷していた「ミスタードーナツ」の売り上げが回復基調にある。ドーナツ市場が縮小する中で、いかにして復活できたのか。かつて経験したコンビニとの“死闘”も振り返る。 - ミスド絶好調 価格高騰の中でも営業利益「50%増」のワケ
- セブンティーンアイスが大躍進 34年で激変した自販機の“設置戦略”
自動販売機で売られているセブンティーンアイス。自販機の設置台数が過去最高を更新している。成長を可能にしたのは時代の変化にあわせた“設置戦略”だ。 - コンビニの攻勢で菓子店が減っているのに「シャトレーゼ」は大躍進 コロナ禍で発揮した強みとは?
菓子チェーン「シャトレーゼ」の業績が好調だ。新たに展開したプレミアムブランド「YATSUDOKI(ヤツドキ)」も貢献する。少子化やコンビニの攻勢といった“逆風”を跳ね返している要因は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.