テレワークの落とし穴 「サイレントうつ」に対する予防と対策:意識的に休息を(1/6 ページ)
直近のデータを見ると、都内の企業でテレワークを実施しているのは4割ほど。テレワークの整備は今後も進むだろうが、企業や従業員はどのようなことに気をつければいいのだろか。メンタル面でいうと……。
新型コロナウイルスの流行とともにテレワークという働き方が急速に広まった。都内企業約1000社を対象に行われた最新の調査(東京都産業労働局「テレワーク実施率調査結果 4月」)では、2023年4月のテレワーク実施率は46.7%であった(参照リンク)。
最初の緊急事態宣言が出された20年4月の調査開始以来、最も低い結果であるものの、従業員規模別実施率に注目してみると、規模の大きい企業ほどテレワーク実施率は依然として高いことが分かる。さらに、東京都が策定した『「未来の東京」戦略』の中でも、30年度目標として「都内企業のテレワーク導入率」を80%と定めており、むしろテレワークの整備は今後も推進されていくと予想される。
働く側/雇用側にとってもメリットの多いテレワークだが、非対面コミュニケーションから生じるメンタル不調――「サイレントうつ」には注意が必要だ。創業当初よりフルリモートである当社(ニット)は、企業やテレワーカーへの警鐘を鳴らすために「サイレントうつ」という言葉を生み出し、現在も使っている。その特徴は、“サイレント”にうつ状態が深刻化してしまうということだ。
本記事では、より快適なテレワーク環境を整えるためのヒントとして、「サイレントうつ」を中心に、その症状や予防策をお伝えする。
「サイレントうつ」とは
コロナをきっかけに、テレワークを導入した企業は増えたが、その一方で、対面でメンバーと仕事をすることが極端に減った。それによって、気持ちが落ち込んでいることに気付けなかったり、相談がしづらかったり、といったメンタル不調の前兆に気付けない状態が長引きがち。テレワークは全体で見たらメリットがたくさんあるが、こういったメンタル不調になる人も多い。
「テレワークには慣れているから大丈夫」という油断は禁物だ。約8年前の創業時よりフルリモートで事業を行ってきた当社でも、メンバーからメンタル不調についてこれまで多くの相談を受けてきた。テレワークのノウハウを持っていても、メンタル不調に陥る可能性はあるということだ。これに対し、働き手はもちろん雇用側も十分に配慮する必要がある。
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