セブン「レジ袋風」エコバッグのヒットは必然だった!? 有料化から3年、新たなビジネスチャンスを探る:消費者も変化(6/6 ページ)
2020年7月にレジ袋有料化がスタートしてから、エコバッグを使う消費者が増えた。そんな中、セブン「レジ袋風」エコバッグがヒットした背景を探る。
新たなムーブメントを起こすためには
私は売れない時代にヒットする商品には次のような特徴があると言っています。
- ありそうだけどないもの
- 特徴はあるけど特殊でないもの
- 一言で語れるストーリー性があるもの
セブンのレジ袋風エコバッグも、シモジマの魚が飲み込まないレジ袋も、まさにこの3つの原則に当てはまると思います。
セブンのエコバッグは、レジ袋風にデザインするという発想がありそうでありませんでした。それがヒットの要因。さらにマチが広くお弁当も入れられて使いやすく、セブンネットショッピングサイトのみの販売で7万個を販売したというストーリーがあります。
シモジマのエネルフィッシュは、海洋生分解性のレジ袋をつくり、さらに魚が嫌う味にして海に流れ出ても魚が飲み込まないようにしていますが、袋としての機能性はあり、さらに女子高生がアイデアをだしたことからスタートした商品であるというストーリーがあります。
世の中にインパクトを与えて人の行動を動かしていくようなヒット商品には、こうした原則が必ずあるものです。
レジ袋からエコバッグへというライフスタイルの変化は、こうした新たな商品を生み出す契機にもなっています。新たな法規制は新しい商品やサービスが生まれる機会でもあります。今後のレジ袋、エコバッグという市場には引き続き注目していきたいと思います。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。
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