コラム
ビッグモーター事件から“無法な人事処遇”を検証してみた:「お前はクビだ!」はアリか(4/5 ページ)
数々の違法が疑われ、その企業体質に厳しい目が向けられているビッグモーター。人事的な視点で検証すべきではないかと思い、書いてみた。
・「管理職なので残業代はつかない」?
よく「自分は管理職なので残業代もつかず、部下社員の分まで作業をしている」という話を聞きます。一見正しいようですが、正確には違います。真の管理職であれば、その通り、残業手当などの対象外ですが、これは経営管理者としての「真の管理職である」ことが必須要件です。単に呼称が課長だの部長だの工場長だから管理職ではありません。
労働基準法の「管理監督者」こそが真の管理職です。それを満たすには「企業全体の経営への高い関与」「出退勤時間拘束からの除外」「管理監督者にふさわしい処遇(給与条件等)」などが必要です。イメージとしては取締役などきわめて高位の役職者であって、規模にもよりますが店長クラスでそこまでの経営関与がある例は少ないように思います。
また暴力は論外で直ちに警察案件。暴言も内容によっては傷害や名誉毀損など刑法犯の可能性があります。
仮に就業規則で上司のさじ加減で人事評価が決まることが明文化されていたとしても、その就業規則が法律に反するものであれば無効。まして就業規則にもない、単なる経営者への忖度などであれば、合理性証明はまず無理です。
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