“なんとかドンキ”がじわり増加中 全6種類の超レア店舗 狙いを聞いてみた:経済の「雑学」(4/4 ページ)
2021年以降、レアなドン・キホーテが各地にオープンしている。お酒、菓子、コスメなどに特化しているのが特徴。こうした実験店舗の狙いを聞いた。
実験店の狙い
なぜ、こうしたカテゴリー特化型の店舗を立て続けにオープンしているのか。
広報担当者は「コロナ禍において、各モールなどのテナント賃料が当社にとって特に破格といえるような好条件で手に入ったのがきっかけ」だと説明する。
インテナント型の狭小立地で店づくりをしようとしたとき、広く浅くという品ぞろえではドンキの魅力を十分に伝えられない。そこで、狭くて深いカテゴリー特化型のコンセプトにしたという。
別の要因もある。コロナ前のドンキはインバウンドという追い風があり、業績は好調だった。その一方で、同じような店舗が増えるというマンネリ状態だったという反省もあったという。また、会社として急成長していた時期(2000年代)のファンも高齢化しており、ドンキが得意としているとがった商品構成による店づくりで、若年層・若者世代の支持を獲得するのも目的だ。
現時点で、これらの専門業態を特に拡大する予定はない。これまで挙げた目的や課題に対応するための実験店という位置付けだ。各店舗は、一般的なドンキと比べて売り場面積やアイテム数といった点でかなり小規模なので、グループ全体における売り上げ貢献度は大きくない。
コロナ禍で少しずつ増えた“なんとかドンキ”で得た知見を、今後の店づくりにどう反映していくのだろうか。
【お詫びと訂正:2023年8月12日午前5時の初出で、モラージュ柏内の施設における記述に間違いがありました。8月15日午前9時、該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正いたします。】
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