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「かつや」追う「松のや」の特徴は? “破格”250円朝食も 似て非なるそれぞれの戦略:強みを分析(3/4 ページ)
松屋フーズホールディングスの「松のや」が6月に300店舗を達成した。ライバルがアークランドサービスホールディングスの「かつや」だ。似て見える両社だが、メニューやシステム、立地を眺めるとそれぞれの戦略に違いが見えてくる。
店舗立地も異なるため、両チェーンは競合でありながら見かける場所はやや異なるだろう。松屋フーズHDが発表した同社全体の24年3月期における出店計画では、ロードサイド比率は約40%にとどまる。松のやも駅前や市街地で見かけることが多い。
同社の物件情報募集ページでも、ビルイン形式では「乗降客2万人以上の駅から50メートル圏内」「事業所街やオフィス街の飲食店舗の少ないところ」といった条件を示しており、ある程度栄えた駅前への出店に注力しているようだ。一方のかつやはロードサイド比率が高く、主に車で訪れる客をターゲットとしている。
近年ではこの店舗立地の違いが業績を左右した。コロナ禍では、比較的感染リスクの少ない店舗としてロードサイド形態で好調が目立った。
かつやを運営するアークランドサービスHDも売り上げ・営業利益ともに成長を維持している。対する松のやは、単体の業績が公表されていないものの、松屋フーズHDの業績は20年3月期から23年3月期までの4期で次のように推移しており、駅前を中心とした立地が足かせとなったように映る。
- 売上高:1065億円→944億円→944億円→1065億円
- 営業利益:50億円→▲16億円→▲42億円→14億円
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