徹底した結果主義のグーグル、社内の人間関係はやはり“ドライ”なのか:「社内雑談力」の極意(3/3 ページ)
グーグルは世界の最先端企業であり、徹底した結果主義の会社なので、マネジャーとメンバーの関係も相当にドライなものだろうと思うかもしれない。しかし実際は……。
グーグルの躍進を支える原動力は「風通し」の良さ
グーグルでは、4月1日のエイプリルフールにいろいろなトラップを仕掛けたり、10月31日のハローウィンには、仮装をして一日中そのまま仕事をするなど、自由な雰囲気の中で仕事をしています。
人に何かを注意するときでも、イタズラ風のメッセージで伝えたりしています。全員がパソコンを持ち歩いて仕事をしていますから、パソコンから離れるときは、必ず画面をロックすることが社内のルールになっています。
画面を開いたままパソコンから離れている人を発見すると、気づいた人がWebサイトのリンクにアクセスして、相手の画面にかわいい映像付きでメッセージが届けられるようになっています。
「あなたは気づいていない」→「あまり注意していなかったんだね」→「おバカなんだよ!」
こうした風通しの良さが、グーグルの躍進を支える原動力になっているのです。
この記事は、『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(ピョートル・フェリクス・グジバチ/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
著者プロフィール:ピョートル・フェリクス・グジバチ( Piotr Feliks Grzywacz )
連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者。プロノイア・グループ株式会社代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、株式会社GA Technologies社外取締役。
モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発・組織改革・リーダーシップマネジメントに従事。2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『 NEW ELITE 』他、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』『世界最高のコーチ』など執筆。ポーランド出身。
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