調査リポート
「カスハラ」の実態 クレーム対応者はどんな被害を受けているのか:約6割が経験(1/2 ページ)
エス・ピー・ネットワークが企業のクレーム対応担当者に実施した調査によると、直近1年間で「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を受けた人が6割を超えた。小売業などでは、執拗な言動や威圧的な言動をされた経験者が過半数となっている。
企業の危機管理を支援するエス・ピー・ネットワーク(東京都杉並区)が企業のクレーム対応担当者に実施した調査によると、直近1年間で「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を受けた回答者が6割を超えた。企業やその従業員への被害を減らすための抜本的な対策が求められている。
カスハラは、顧客などによる職場環境に害が及ぶほどの不当要求を指す。過度な金品の要求や暴行・脅迫などの対応に苦慮する企業も少なくない。2022年には厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公表するなど、社会問題として認知されるようになった。
従業員をカスハラから守るために企業も対応を迫られているが、被害の実態とはどのようなものなのか。企業でクレーム対応を行った経験がある会社員を対象に、同社が調査した。
直近1年間で不当要求やカスハラの被害に何回くらい遭ったかのか。「1〜5回」が最も多く、過半数の53.1%を占めた。「6〜10回」が7.1%、「11〜15回」が1.2%、「16回以上」という回答も3.1%あった。合わせると、1年以内にカスハラを経験した人は64.5%に上った。
カスハラをした相手の属性を見ると、男性が81.1%、女性が18.9%。年代は「50歳代」が最も多く40.6%。次いで「40歳代」が22.3%、「60歳代」が17.2%だった。
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