調査リポート
「カスハラ」の実態 クレーム対応者はどんな被害を受けているのか:約6割が経験(2/2 ページ)
エス・ピー・ネットワークが企業のクレーム対応担当者に実施した調査によると、直近1年間で「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を受けた人が6割を超えた。小売業などでは、執拗な言動や威圧的な言動をされた経験者が過半数となっている。
カスハラの内容
個人顧客(消費者)によるカスハラの内容を見ると、全体の約3割が「執拗な(しつこい)言動」や「威圧的な言動(大声を出すなど)」と回答。一方、業種別でみると、卸売・小売業(百貨店・スーパー・コンビニ)では「執拗な言動」「威圧的な言動」の回答がそれぞれ55.6%と、全体を大きく上回った。また「責任がないにもかかわらず商品の交換や金品を要求」(51.9%)も過半数だった。
さらに、交通インフラ業(鉄道・飛行機・バス・タクシーなど)でも「執拗な言動」が50.0%、「威圧的な言動」が55.0%に上り、全体を大きく上回った。
カスハラの被害は決して少数ではない。一方、調査では「自社にカスハラ対策のマニュアルはない」という回答が約7割を占めている。
エス・ピー・ネットワークは、カスハラが金銭的、人的な損失を生むことを指摘し、「経営者はカスハラから従業員を守るという強い決意を持ち、具体的かつ抜本的なカスハラ対策を推進していく必要がある」と、組織的な体制整備の必要性を呼びかけている。
調査は、7月14〜16日にインターネットで実施。1030人が回答した。
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