「ハンカチ王子」の次は「美白王子」…… 慶應107年ぶり優勝で「日焼け止め」に脚光 「ニベア」に聞く反響(2/2 ページ)
慶應義塾高校が107年ぶり2度目の優勝を果たした今年の全国高校野球選手権大会。一部部員が「日焼け止め」を使用していたことがSNSで話題になるなど野球以外でも注目。日焼け止めを手掛けるニベア花王に反響や近年の動向を聞いた。
男性の日焼け止め使用率増加 背景に色白アイドル人気
話題の選手が使用したことで脚光を集めている日焼け止め。ニベア花王の広報は「日焼けは紫外線による皮膚表面の火傷。皮膚の炎症による、ほてり、赤み、ヒリヒリ感や皮むけ、メラニン生成による黒色化が主な症状」と説明。最近の研究では「局所で生じた炎症が全身に影響を及ぼすことが分かってきている」という。
皮膚が「最大の臓器」とも呼ばれているように、皮膚のダメージが人体に与える影響は大きいようで「日焼けによって生成された炎症性の物質は血管などを通じて全身に運ばれる。そこで疲労感につながる症状が生じると考えられている」。担当者はこう語る。
日焼けからの回復には多くの栄養素が消費されるため「十分な休息が必要」とも指摘し「強い日差しの下での運動は、紫外線の影響を直接受ける。日焼けは将来的な皮膚ガンのリスクを上げるだけでなく、疲労感につながり、パフォーマンスの維持や疲労回復の点においてもデメリットとなる」と、対策の重要性を強調する。
近年は男性の日焼け止め使用率も向上している。色白で、中性的なルックスの韓流タレントやジャニーズアイドルの人気が、その背景にある。ニベア花王の広報担当者も「以前からの女性から好まれる男性のタイプが変化している」とトレンドの変化を認める。
同社が2022年に行った調査では、男性の日焼け止めの使用率は10代〜60代全体で約15%程度。特に10代は他年代より使用率が高く21%となり、19年の調査(約12%)と比較すると、3年で使用率が倍近くに増加している。部活動などスポーツに参加する機会が多いこともあり、使用頻度は他年代よりも圧倒的に高く「2〜3日に1回以上使用」の回答者は全体の72.7%を占めた。全体(10代〜60代)の使用頻度は45.8%だった。
男性需要の増加は同社の業績にも表れている。広報担当者は「17年と22年を比較して、直近5年で110%の伸び。コロナ中も伸びているが、コロナ禍明けの今年1〜7月で見ると、さらにそこから108%伸びている(ともにインテージSRI+売上比)」と明らかにした。
10代の日焼け止め使用率増加は男性だけではないようで「10代女性の日焼け止め使用率は5年前は70〜75%から85〜90%まで上がっている。女性は美容という側面があるため、メークと同様の重きがある」という。
塾高の優勝後、反響はどうなのか。広報担当者は「(マスコミ関係者を中心に)問い合わせが増えており、驚いている」と話す。
東京都内は年間猛暑日(最高気温が35度以上の日)の日数が、22年の16日を上回り、記録を更新中だ。今後も猛暑が続くと予想される中、日焼け止めの売り上げをどこまで伸ばせるか。
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