「開けてびっくり玉手箱」方式では、会議の生産性は上がらない:どうあるべきか(1/3 ページ)
ミーティングのその場もしくは直前に資料を配って説明から始める「開けてびっくり玉手箱」方式では、いつまで経っても生産性は上がらない。責任者はそう認識する必要がある。
日沖博道氏のプロフィール:
パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。
弊社が主導するコンサルティングプロジェクトでは、クライアント側のプロジェクトメンバーにも色々と役割を分担してもらうのが普通だ。その中の会議で、検討結果もしくは調査結果を短めの資料にまとめて報告していただくことがよくある。
その際には1つのルールを守っていただくことをお願いしている。それは「開けてびっくり玉手箱」方式はダメなことだ。オンラインでもオフラインでも共通する。
「開けてびっくり玉手箱」方式とは何か。直前まで討議用資料を配らず、会議の場で初めて目にする他のメンバーに対し資料の説明から長々と始めるという、悪い「お作法」のことだ(この命名は、依頼された趣旨を誤解したまま担当者が見当違いの資料を作成してしまい、会議当日その場で「違うじゃん」というのが判明したことから来ている)。
往々にして、資料説明とその内容確認のための質疑応答だけで大半の持ち時間を使ってしまい、肝心の中身に関する検討や、そこからの示唆や打ち手についての議論は深まらない。結果として「次回の会議にて改めて議論を続けましょう」といったオチになることすらあり得る。
本来どうあるべきか。小生が主導するプロジェクト会議では必ず、会議資料は事前に関係者間で共有しておく(プロジェクトメンバーならアクセスできるクラウドに放り込んで共有通知しておく)。事前といっても直前では意味がない。十分な余裕を持って事前に「予習」しておけるよう、通常は遅くとも前日には共有しておく。
そうしておけば、会議参加者は事前に資料を読み込んで(少なくとも一読し)疑問点や要確認点があればそれを頭の中かどこかにメモし(小生の主催する会議では、単純な確認の質疑応答は事前にやり取りすることを奨励している)、自分なりの意見を持って会議に臨むことができる。
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