「開けてびっくり玉手箱」方式では、会議の生産性は上がらない:どうあるべきか(3/3 ページ)
ミーティングのその場もしくは直前に資料を配って説明から始める「開けてびっくり玉手箱」方式では、いつまで経っても生産性は上がらない。責任者はそう認識する必要がある。
3つめは、本人の「逃げ・言い訳」心理だ。あまりに事前に資料をアップ&共有しておくと、じっくり読んだ人から鋭い突っ込みを受けるかもしれない。それに耐えられるほど資料の完成度に自信がない。だから直前ぎりぎりまで可能な限り手直しし、完成度を上げておきたい。少なくともそうした姿勢を示したい。実に肝が細くて料簡が狭い。全体のことを考えていない。
とはいえ、この「完成度が低いままでは共有できない」という心理も分からなくはないので、小生はこう伝えるようにしている。すなわち「いったん出来上がった段階でなるべく早くアップ&共有通知してください。そして手持ちのほうのファイルを継続的に修正して、何度もアップし直してファイルを更新してもらって構いません」と。
こうすれば他の会議参加者は未完成かもしれないけどファイルを事前に閲覧もしくはダウンロードでき、大筋は把握できる。何の話か理解した状態で、または質問したい事項を頭に描いた状態で、会議に臨むことができる。完成資料の場合とそれほど大差ない状態にできるのだ。会議時の資料に、事前の資料に比べ一部追加修正が入っていても、誰も文句を言うはずはない。
「開けてびっくり玉手箱」方式が会議の生産性を下げる原因の全てではない。しかしこれを止めさせるか否かで大きな違いがあることは実感できる。少なくとも「開けてびっくり玉手箱」方式を続けるような会社やプロジェクトでは、いつまで経っても生産性は上がらない。 (日沖 博道)
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