「スキルが足りなくて困った」と感じたことがあるビジネスパーソンが7割以上――。そんな結果が、大阪商工会議所による「社会人の必須スキル」に関する調査で明らかとなった。
現代社会では、業務内容の効率化や社員同士のコミュニケーション、将来のライフプラン設計など多くのスキルが求められている。現代のビジネスパーソンに必要なのは、どのようなスキルなのか。
業務を行う上で「スキルが足りなくて困った」と感じた経験が「とてもある」人は23.7%、「ややある」人は46.9%と、合わせて約7割に上った。回答者からは「Excelの関数を使いこなせなくて困った」(20代/女性/兵庫県)、「海外の人との会議で、相手の英語がよく分からなかった」(40代/男性/広島県)などのコメントが寄せられた。
資格を取得したいと強く思う動機やきっかけは「自分の足りないスキルを補いたいとき」が43.3%が最多。次いで「業務を行う上で必要に迫られたとき」(41.4%)、「自分の価値を高めたいとき」(37.4%)という結果に。
実際に取得している、あるいは取得を検討した資格については「簿記」が16.5%で最も多い結果に。「TOEIC」(14.4%)、「英検(実用英語技能検定)」(11.7%)、「FP(ファイナンシャル・プランナー)」(9.3%)と続いた。
最も多かった「簿記」を取得した理由は「この先持っていたら何かと便利」(20代/女性/東京都)、「どこへいっても事務職に就くなら有利だと思うから」(20代/女性/沖縄県)といったコメントが寄せられた。
日商簿記は、商工会議所が主催する資格検定ということもあり、就職・転職に有利な資格とされている。しかし、実際に日商簿記の資格を取得している人は27.0%だった。
簿記の資格を業務に生かせているか聞くと「ややそう思う」人は34.2%、「とてもそう思う」人は30.5%だった。一方で、3割が簿記の資格を業務に生かせていないと回答。その理由は「会計関係の業務は行っていない」(40代/男性/奈良県)など、簿記の知識を生かす部門にいないといった内容が多く寄せられた。
調査は8月1〜2日にインターネットで実施。会社員1009人から回答を得た。
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