職場の若い人は何を考えているの? Z世代とうまく付き合う方法:仕事に対する価値観(3/5 ページ)
「Z世代」という言葉をよく耳にするようになった。X・Y世代と違って、若い人たちはどのような傾向があるのか。仕事の価値観などを解説する。
世代間ギャップから見る関わり方のヒント
以上のように、社会的背景などから各世代間では価値観や働き方などにギャップがあることが分かった。では、特にX・Y世代は、これから職場を盛り上げる存在でもあるZ世代と、どのように関わるべきなのか。その違いにフォーカスしながら考えていく。
まず、X・Y世代とZ世代と大きく違うのが、テクノロジーとの関わりである。X・Y世代にとって、ネットやスマホは、大人になってから、もしくは成長過程において登場したものである。そのため、今ではほとんどの人がスマホを持ち、デジタルテクノロジーが身近にあるとはいえ、Z世代のような「体の一部」といえるほどではない。
それに対し、生まれたときからデジタルテクノロジー、ネットのある生活が当たり前の環境で成長してきたZ世代は、情報の取得や処理が迅速であり、効率よくタスクをこなす能力に長けている。
それは仕事においても同様である。つまり、社内でのデジタルツールやシステムの導入など、効率性や生産性の向上に、柔軟に対応し、貢献してくれることが期待できる。
ただし、注意すべき点もある。SNSやネットの普及によりリアルタイムで他人とつながり、意見や情報を共有する環境で育ってきたZ世代は、自分の考えや行動がどのように受け入れられるかに敏感である。仕事においても、自己表現を通じて評価を得ようとする動機が見られる一方で、他人からの評価を気にすることが多く、失敗や指摘に敏感になることもあるので配慮が必要だ。
また、Z世代はオープンでフラットなコミュニケーションを重視することが多い。SNSを通じて幅広い人々と簡単につながり、異なる背景や属性を持つ人々と交流することが一般的な彼らは、職場でも、自分の意見や考えを率直に発信することが多いことも心得ておく必要がある。
先輩や上司に対しても、フラットなコミュニケーションで自分の意見をぶつけてくることもあるだろう。そのようなとき、X・Y世代の人たちは「けしからん!」「まずは言ったことをやれ!」と思いがちだが、それをぐっとこらえて彼らの声に寄り添ってみると、意外にそこに本質的な解が宿っていることもあるはずだ。
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