ジャニーズ事務所、性加害「あった」 東山紀之新社長が謝罪「人生かけて取り組む」:「知らなかった」から一転
「ジャニーズ事務所」創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題で、同社が記者会見を開き、性加害の事実を認めた。新社長に就任した東山紀之氏は被害者に謝罪した上で「人生をかけてこの問題に取り組む」と話した。
「ジャニーズ事務所」創業者の故ジャニー喜多川氏が生前、所属タレントに性加害をしていた問題で同社は9月7日、記者会見を開き、性加害の事実を認めた。新社長に就任した東山紀之氏は被害者に謝罪した上で「人生をかけてこの問題に取り組む」と話した。
「知らなかった」から一転、事実を認める
会見の冒頭、前社長の藤島ジュリー景子氏が「事務所としても、個人としてもジャニー喜多川に性加害があったと認識している。全ての方に心よりおわび申し上げる」と陳謝。経営責任を取り、社長を辞任したことも併せて報告した。
ジュリー前社長は5月14日に事務所としての見解を示した際、「知らなかったでは決してすまされない話だと思っているが、知らなかった」とコメントしていた。
1999年に「週刊文春」がジャニー氏の性加害を報道した際は、同社は名誉棄損として文藝春秋社を提訴し、取締役として裁判に出席していたというジュリー氏(週刊文春の5月17日付の記事)。一方で、詳細については「私には一切共有されておらず、恥ずかしながら今回の件が起こり、当時の裁判を担当した顧問弁護士に経緯確認するまで詳細を把握できていなかった」と釈明していた。
だが、その後、ジュリー氏自身が被害者と面会したことに加え、8月下旬に外部有識者らが報告書で性加害の事実を認定。最終的に事務所、個人としても事実を認めるに至った。
ジュリー氏は今後、「被害者への補償を責任もって全うするため」として、当面の間、事務所に取締役としてとどまる方針だが「被害者への心のケアなどに専念し、経営面には今後、関与しない」という。
東山新社長「失われた信頼を取り戻すべく全力」
一方の東山紀之氏は「被害者の方への救済、補償を誠心誠意に行うことがすべての出発点」と強調。報告書で指摘された「性加害が行われた当時から、スタッフは見て見ぬふりをして、何の対策もなかった」とする点に言及し「被害者に深くおわびする」と謝罪した。
今後に向けては「新社長として、人権侵害が起こらない体制づくり、ガバナンスを再構築し、失われた信頼を取り戻すべく全力を尽くす。被害者には深い心身の傷を負わせてしまい、信頼を取り戻すのは長い時間がかかるが、人生をかけてこの問題に取り組む」とした。
ジャニー氏による性加害に関しては8月下旬に外部有識者が報告書を公表。「1950年代から2010年代半ばまで性加害がほぼ万遍なく存在していた」とし、被害者へのヒアリングの結果から「少なく見積もっても数百人の被害者がいるという複数の証言が得られた」と記している。
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