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ジャニーズ騒動から考える、炎上時に「忘れてもらうまで待つ」策は、有効か否か:危機管理広報の重要性(1/2 ページ)
ジャニーズ事務所での性加害疑惑が大きな話題となっている。事務所による謝罪動画では、明確な回答をせずに事態をやり過ごそうとしている姿勢が見えた。こうした炎上時に「忘れてもらうまで待つ」策を講じる企業の事例が散見されるが、果たして有効な策なのだろうか。炎上トラブル対応の専門家が考察する。
ジャニーズ事務所での性加害疑惑が大きな話題となっている。
5月14日、現事務所社長である藤島ジュリー景子氏は公式サイト上で謝罪動画を公開し、各所からの質問に対して回答した文書を掲載した。本記事の前編(「ジャニーズ事務所、企業としての「5つの問題点」とは? 炎上対応の専門家が解説」)では、ジャニーズ事務所の対応の問題点を5つに分けて解説した。
この記事では、ジャニーズ事務所の対応から感じられる「沈黙」「ゼロ回答」の方針について、さらに考察を深めたい。
増えつつある「沈黙」「ゼロ回答」で沈静化を待つ姿勢
筆者は過去記事(「不快な気持ちを抱かせた」「誤解を招いた」はなぜNG? 炎上から企業を守る、正しい対応とは)においても、炎上トラブル時における最適解は「迅速対応」「積極的情報開示」「真摯な謝罪」であると説明している。
しかし昨今では、不祥事に対して沈黙を貫くことが最善策であるようにも見える事象がいくつか目につく。
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