「新人が育ってくれない」と悩む上司が知らない、Z世代の特徴とは(1/4 ページ)
新しい価値観を持つ「Z世代」が新入社員として働き始めている。仕事への向き合い方をめぐって摩擦が起きる現場も少なくない。Z世代は何を考えているのか、それに対し、上司などの旧世代の社員はどのように対応すべきなのか。
「Z世代」と呼ばれる1996年以降に生まれた人たちが、2019年から大卒新入社員として働き始めている。その中で、上の世代との価値観の違いや、仕事への向き合い方をめぐる摩擦も起きている。
広告関連業の人事課長は、あらためて今どきの新入社員の特性を知らされたと話す。
「最近の新入社員は、基本的には“良い子”が多い。性格的にはガツガツしていないし、さりとておとなしいわけでもなく、あえて言えば言動にソツがないこと。5段階の成績ではオール4のイメージ。教科書通りにやることはすごく得意だし、ある意味で優秀だ。ただし、共通するのは“失敗を恐れる優等生”という感じ。だから教えてもらっていないことをやることを極端に嫌がる。何かミスをして叱っても『教えてもらっていませんから』と平気で言う。それでいて相手の懐に飛び込むのも苦手だ。へりくだって『教えてください』というのが嫌だし、教えてくれないのも嫌だ、という人が多い」
ソツがなく教えられた仕事は忠実にこなすのだが、どこかに失敗したくないというプライドのようなものがあり、教えられていない仕事に挑戦しようとしない。またミスしても「教えなかったあなたが悪い」と、自分の失敗を認めようとしない。その結果、上司や先輩とこじれると、簡単に退職してしまう傾向があると、この人事課長は説明する。
昭和世代と令和の若者、交わらない価値観
こんな特徴を持つ昨今の新入社員と、「先輩社員の1を聞いて10を知れ」とか「失敗を重ねてこそ成長につながる」などと教えられた昭和生まれの上司世代。波長を合わせるのは難しいだろう。
Z世代が最初に手にした携帯はスマホであり、情報収集やコミュニケーションの手段としてインターネットやSNSを駆使する世代でもある。一方、SNSを通じて小・中・高・大学の横のつながりは幅広いが、上下の人間関係のコミュニケーションに不得手な人も多いと言われる。
だからというわけではないが、働くことに対する意識や価値観も昭和世代とは大きく異なる。
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