トヨタはセーフで日産はアウト! 「ジャニーズリスク」と大企業はどう向き合うか:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
契約を打ち切ったら「いじめ」と叩かれて、継続をしたらしたで「人権意識がヤバい」と叩かれる――。ジャニーズの問題で、頭を抱えている企業の担当者も多いはず。いわゆる“ジャニーズリスク”と企業はどう向き合えばいいのか。
契約を打ち切ったら「いじめ」と叩かれて、継続をしたらしたで「人権意識がヤバい」と叩かれる。「じゃあ、どうすりゃいい?」と頭を抱える企業の危機管理担当者も多いのではないか。
ジャニーズ事務所が、創業者のジャニー喜多川氏の「性加害」をはじめて認めて謝罪したことに端を発した「ジャニーズリスク」のことだ。
今、企業危機管理の世界では、企業の広告やイメージキャラクター起用で、「ジャニーズを切るべきか、切らざるべきか」という、大変悩ましいジャッジが行われている。
切るべき派は日本航空、アサヒホールディングス、キリンホールディングス、サントリーホールディングス、東京海上日動、そして日本生命などだ。契約更新をしないと明言したり、「適切な対応が取られるまで当面の間、起用を見送る」と発表したりしている。
一方、切らない派は民放テレビ局や花王などだ。特にテレビ局は会見直後に「タレントに問題はないので、これまで通りに番組に起用します」と表明。まるで示し合わせたかのような一斉発表に、「これも忖度(そんたく)では?」なんて声も出た。
そして、ほとんどの企業は「検討中」だ。無理もない。あの会見で東山紀之社長がジャニー氏の性加害について「うわさレベルで聞いていた」と驚いていたことを受けて、「被害者の会」の人々が「保身のためのうそ」「違和感がある」などと批判していたからだ。
もし被害者の会の指摘が事実なら、新社長になって早々にうそをついたことになってしまう。いずれにせよ、組織としてまだまだ何かを隠しているムードがプンプン漂っているので、「様子見」をする企業が多いのだ。
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