値上げラッシュなのに、なぜ「100円おでん」を維持できるの? 「100円おせち」との共通点:経済の「雑学」(2/3 ページ)
ローソンストア100が今年も「100円おでん」の販売を開始する。昨年は175万個売り上げた。近年、値上げラッシュが続いているのに、どうやって低価格を維持しているのか。担当者に聞いた。
なぜ100円にできるのか
なぜ、100円という低価格を実現できるのか。理由はいくつかある。
100円おでんが始まったきっかけは、10年以上前に練り物メーカー「かね貞」(愛知県みよし市)と取引を開始したことだ。担当者によると、かね貞が東京進出をしていなかった時代、ローソンストア100から「全店でかね貞商品を展開し、棚にスペースを提供します。その代わりにお客さまが喜ぶ、100円の価値ある商品を製造してほしい」と依頼したという。
現在は、かね貞をはじめとするメーカーを集約することで製造効率を向上させ、原材料確保の効率化を図っている。ローソンストア100が「今年の100円おでんはこのぐらい発注する」と事前に約束することで、メーカー側は計画的に工場を稼働させ、人を手配し、原材料の買い付けができるというわけだ。
配送にかかわるコストも削減している。工場から低温センターに一括納品してもらった後、同センターで各店ごとに仕分けを行う。おでん種だけではなく、要冷蔵の商品を混載した状態で各店舗に納品する。工場側では店舗ごとの発注に合わせて小分けに仕分ける作業が発生しない。
物価高騰にどう対処しているのか
近年、原材料などが高騰しているがどのようにしてコストダウンをしているのか。担当者は「原材料確保の効率化、製造の効率化ができるよう、メーカーとの数量の約束や計画を早めに立てています」と説明する。
練り物に使う「すり身」の原材料は海外からの輸入が多いが、計画を前倒しにすることで、メーカーが為替レートの最も良いタイミングでまとめて買い付けできるようになる。
また、各メーカーが自社製品用に使用する原料を100円おでん向けに活用することで、仕入れコストの抑制ができているという。例えば「味付け大根」はメーカーが水煮などに使用しているのと同じ原料を活用しているという。
こうしたコスト削減方法は、同社が毎年販売している「100円おせち」と似ている部分が多い。100円おせちは「蒲鉾」「栗きんとん」「黒豆」などを1品100円(税別)で販売しているのが特徴。オフシーズンの工場を活用したり、1年以上前から仕入れの準備をしたりすることで、コスト削減を実現している(出所:ローソンストア100の「100円おせち」は、なぜ真似されないのか)。
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