有名メニューのきっかけはマクドナルド? びっくりドンキーが愛され続ける納得の理由:経済の「雑学」(1/3 ページ)
根強い人気を博す「びっくりドンキー」。同社の歴史には意外な転換点があった。メニューや店舗の工夫とともに、びっくりドンキーが愛され続ける理由を解説していく。
好きなファミレスランキングで頻繁にトップの座を占めるチェーンといえば、サイゼリヤだ。そのサイゼリヤに次いで安定した人気を博し、必ずといっていいほど3位以内に入るファミレスがある。びっくりドンキーだ。「アレフ」(札幌市)という会社が運営している。
各調査でびっくりドンキーを選んだ人の理由を見ると「美味しい」「コストパフォーマンスが良い」といった料理に対する評価や「雰囲気が良い」など、店舗に対する評価も高いことが分かる。本記事では、びっくりドンキーが多くの人に愛される理由を3つのポイントから解説していく。
マクドナルドに影響された意外な歴史
びっくりドンキーの前身は「ハンバーガーとサラダの店・べる」である。ハンバーガー店で修業した創業者が、1968年に盛岡市でオープンした。ハンバーグ店へと切り替えたのは、わずか3年後の71年だ。マクドナルドが日本へ上陸した際、彼らの卓越した効率性に勝てないと判断し、業態を変えたのだという。
その後73年に、木皿にハンバーグ・サラダ・ライスを盛り付けた料理の提供を開始。現在も提供する「ディッシュ」メニューの原型となっている。「びっくりドンキー」として1号店をオープンしたのは、さらに後の80年だ。
今ではいくつかの業態を展開しているアレフだが、主力はあくまでびっくりドンキーだ。83年にはフランチャイズ(FC)事業を始め、それまで主力だった東北・北海道から西日本へ出店するようになる。85年に名古屋工場を開設し、87年には現在の社名であるアレフに商号を変更した。以降も勢いは続き、全国各地に店舗と工場をオープンしながら規模を拡大。びっくりドンキーは99年に200店、2010年には300店を突破した。23年8月末時点で同社の店舗網は直営130店、FC212店、さらに工場は全国各地に8拠点を構える。
600店舗を目標として掲げるびっくりドンキーだが、200店を達成した99年から四半世紀ほどが経過した今、店舗網は350店弱にとどまっている。出店ペースがゆったりした印象を受け、新規出店ではなく既存店の強化を主軸としているようにも見える。そもそもびっくりドンキーは出店後の撤退が少ない。一度出店すると長く続く傾向にあるため、FCオーナーの評価も高いそうだ。冒頭で触れたように、顧客満足度が高いことも影響しているだろう。
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