社内がどんどん賑やかに! 総務のプロが説く「3つのコミュニケーション策」の生かし方:「総務」から会社を変える(3/3 ページ)
社内コミュニケーションを活性化する施策はいろいろとある。しかし、それぞれの施策をやみくもに実施しても効果は限られる。では、どうしたらいいか。組織を活性化させる3つのコミュニケーション策と、その生かし方について、月刊総務の豊田氏が解説する。
最後にもう一つ、「変える」という施策
最後にもう一つ、特定のメンバーの場を変えてしまうという施策がある。人事異動だ。
異動により新たな関係性が構築され、いままでの人的ネットワークを新たな場に接続することが期待できる。
ある企業では、社内短期留学という制度がある。例えば、人事部のメンバーが経理部に期間を定めて送り込まれる。経理部に留学した人事部のメンバーは、全くの経理の素人なので、あれやこれやと根本的な質問を投げかけていく。
従来から普通と思っていた仕事に、さまざまな質問が投げかけられ経理部のメンバーは多くの気付きを得るそうだ。当然、その人事部メンバーは経理部に人脈を築ける。
一方、メンバーを差し出した人事部では、人員がいきなり純減となるので、部全体でその分をカバーしなければならず、そのためにさらに深いコミュニケーションが必要となる。
この人事異動は、特定のメンバーを強制的に元いた働く場から、異なる働く場へ異動させる施策。どのメンバーを異動させるかによって、その効果も大きく異なる。
インフルエンサーと言われる影響力の大きなメンバーを上手に動かすことで、さまざまな部署でのコミュニケーションが活性化されることも想定できる施策である。
著者プロフィール・豊田健一(とよだけんいち)
株式会社月刊総務 代表取締役社長、戦略総務研究所 所長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』を発行している株式会社月刊総務の代表取締役社長、戦略総務研究所 所長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの副代表理事や、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。
著書に、『リモートワークありきの世界で経営の軸を作る 戦略総務 実践ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター、以下同)、『マンガでやさしくわかる総務の仕事』、『経営を強くする戦略総務』
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