コラム
「社内コミュニケーション」が転換期を迎えている、3つの要因が関係:「社内雑談力」の極意(1/4 ページ)
日本企業の「社内コミュニケーション」は転換期を迎えている。その背景には、3つの要因が複雑に関係していて……。
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
僕が働いていたグーグルの例を紹介しながら、日本企業の「社内の雑談」にスポットを当てます。
お伝えしたいポイントは、海外の企業やビジネスマンは社内の雑談を単なる「親睦」のためではなく、生産性を上げてアウトプット(成果)を出すための重要なツールとして戦略的に活用している……という点です。
僕が社内の雑談に着目した理由は、日本企業の「社内コミュニケーション」が大きな転換期を迎えていることにあります。
その背景には、次のような3つの要因が複雑に関係しています。
(1)「ダイバーシティ&インクルージョン」という視点
日本の各企業は現在、「ダイバーシティ&インクルージョン」に積極的に取り組んでいます。
ダイバーシティ&インクルージョンとは、性別や年齢、国籍、文化、価値観など、多様なバックグラウンドを持つ人材を受け入れ、その能力を幅広く活用することで、新たな価値を創造する……という「成長戦略」のひとつです。
ダイバーシティは「多様性」、インクルージョンとは「受容性」を指します。
企業が積極的に取り組む理由は、(1)少子高齢化による働き手の減少に対応するため、幅広い人材の確保が急務(2)SNSの普及によって顧客のニーズや価値観が複雑化したことで、それをスムーズに把握できる柔軟なシステム作りが必要……という点にあります。
経済産業省が大号令をかけていることも、その動きに拍車をかけています。
関連記事
- 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - 「どうせ無理」と思い込むのではなく、「あたりまえ」を疑うことが大切な理由
「仕事の結果がでないなあ。この会社は自分に向いていないよ」と思い込んでいる人もいるのでは。こうした“思い込み”は、仕事をするうえで役に立つのだろうか。コンサルティング業務などを手掛けている「圓窓(えんそう)」を立ち上げた澤円氏に、話を聞いた。 - 「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
OECDの調査によると、日本人の平均年収は韓国人よりも低いという。なぜ日本人の給与は低いのか。筆者の窪田氏は「勤勉さと真面目さ」に原因があるのではないかとみている。どういう意味かというと……。 - こんなに頑張っているのに、なぜ日本だけGDPが回復しないのか
日本経済の復活がうかがえるような、データがなかなか出てこない。先進国と比べて、GDP増加率は低く、賃金も低い。多くのビジネスパーソンは懸命に働いているのに、なぜパッとしないのか。筆者の窪田氏は「日本社会のシステムがブラック企業化しているから」と見ていて……。 - 「70歳まで会社にしがみつく人」が結局、会社を弱体化させてしまうワケ
定年を引き上げるニュースが相次いでる。現行の60歳から65歳にする企業が増えてきているわけだが、筆者の窪田氏はこの動きに懸念を抱いている。「長く働くことができていいじゃないか」と思われたかもしれないが……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.