「社内コミュニケーション」が転換期を迎えている、3つの要因が関係:「社内雑談力」の極意(2/4 ページ)
日本企業の「社内コミュニケーション」は転換期を迎えている。その背景には、3つの要因が複雑に関係していて……。
各企業は、中長期的な経営戦略の中にこうした視点を盛り込むことで、さまざまなアプローチによって問題の解決を目指していますが、そこで導き出された解決策のひとつが、「立場の異なる社員が、自由に意見を言い合えるような環境作り」という考え方です。
「1on1」ミーティングを導入する企業が増えているのも、その一環といえます。
日本企業は現在、「どうすれば多様な価値観を受け入れ、その能力を十分に引き出すことができるのか?」という難しい課題と向き合っており、「日常的に意思の疎通を図ることの重要性」に関心が高まっています。
(2)出口が見えない「働き方改革」の問題
日本企業は、長時間労働を抑制するための「働き方改革」を進めていますが、その一方で、「働きがい」や「働きやすさ」、社員同士の「エンゲージメント」(深いつながりをもった関係性)など、労働時間を短くするだけでは解決できない新たな課題に直面しています。
その結果として、経営陣だけでなく、現場で働く人たちの間でも「日常的な会話が不可欠」という認識が再確認されています。
(3)パワハラ&セクハラ意識の高まり
日本企業が「コンプライアンス」の徹底を強化していることで、最近では、パワハラやセクハラを恐れて、上司が部下を満足に叱れないなど、社内のコミュニケーションのあり方が問われる場面が増えています。
上司と部下の関係に限らず、社内全体のコミュニケーションを円滑化させる……という考え方が、現場レベルでも重要視されています。
企業を取り巻く環境や意識が大きく変化したことで、社内における雑談の「意味」や「意義」について、改めて見つめ直す必要があるのです。
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