10カ月で491店舗に! ラーメンの無人販売所が急拡大している理由:あの話題は今(1/4 ページ)
ラーメンの無人販売所が増えていることをご存じだろか。その名は「日本ラーメン科学研究所」。オープンして1年がたっていないのに、店舗数は500店を超えた。なぜ急ピッチに増えているのかというと……。
あの話題は今:
かつて一世を風靡した(ふうび)した商品やサービスはなぜ生まれ、その後どうなったのか? また、話題になった企業の取り組みは、現在どう進化しているのか。流行の背景、ビジネスとして成功した理由、生き残り策などに迫る。
街中を歩いていると、ギョーザの無人販売所をよく見かけるようになった。「新型コロナの感染拡大をきっかけに増えたよなあ」と思っていたら、その見立ては間違っていなかったようで。帝国データバンクの調査を見ると、ここ数年で右肩上がりで増えているのだ。
2020年は131店舗だったのに対し、22年は1282店舗に。わずか3年で10倍ほど増えているわけだが、こうしたブームの火付け役となったチェーン店をご存じだろうか。同じような店が増えてきたので、忘れている人もいるかもしれないが、「餃子の雪松」(以下、雪松)だ。
雪松が店舗を構えたのは、18年のこと。当時、ギョーザの無人販売は珍しく、さらに巣ごもり需要があって、非接触で購入できて。この3つが重なって、店はどんどん増えていき、3年ほどで350店舗以上に。
「冷凍のギョーザを無人で販売している。しかも、それが人気」となれば、他社も黙っていない。参入障壁がそれほど高くないこともあって「ウチもウチも」といった感じで、さまざまな会社がギョーザの無人販売を展開するようになったのだ。
ところで、雪松を運営している会社は、どんなことをしているのか。社名は「YES」。東京の国分寺市に本社を構えていて、冷凍ギョーザ以外にもいくつかの事業を展開している。もつ煮込みの店舗を構えていたり、個室のシミュレーションゴルフ場を運営していたり。
そんな中で、筆者が気になったのが冷凍ラーメンである。「日本ラーメン科学研究所」(以下、研究所)というネーミングで、22年11月に1号店をオープンし、まだ1年もたっていないのに見逃せない数字を残している。
9月末現在の店舗数を見ると、491店も展開しているのだ(うち自販機は76台)。「ちょ、ちょっと信じられない。イケイケドンドンの会社なの?」などと感じられたかもしれないが、これにはカラクリがある。冒頭で紹介した雪松の店舗に冷凍の什器を設置して、そこでラーメンを販売している。こうした手軽さもあって、スピード出店が実現できているようだ。
「今月は50店舗増えた。来月は70店舗増えそう」といった感じで、ぐーんと伸びているわけだが、その裏でどんなことが起きていたのか。舞台裏を披露する前に、研究所はどんなラーメンを提供しているのかを紹介しよう。
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