セイバンのランドセル用「冷却パッド」、猛暑で大ヒット 小学生からのSOSでスピード開発:猛暑に商機 「ひんやりグッズ」の狙い(1/4 ページ)
重いランドセルを背負い、炎天下の中、登下校する小学生の味方として、セイバンがランドセル用の冷却パッドを独自に開発。今夏発売し、好調な売り上げを記録している。同社に開発の経緯や反響を聞いた。
猛暑に商機 「ひんやりグッズ」の狙い:
電気代高騰や猛暑を背景に企業が「ひんやりグッズ」に商機を見いだしている。ヒットしている商品はどのようにして開発されたのか? 売り場のトレンドはどうなっているのか? 消費者のトレンドや開発の舞台裏に迫る
気温35度以上の「猛暑日」日数が東京都心で過去最高を更新した今夏。暑さに苦しんだのは、ビジネスパーソンだけではない。小学生も同様だ。児童たちは教科書を入れた重いランドセルを背負い、炎天下の中、登下校を余儀なくされている。そんな彼らの味方として、セイバン(兵庫県たつの市)がランドセル用の冷却パッドを独自に開発。今夏発売し、好調な売り上げを記録している。同社に開発の経緯や反響を聞いた。
保冷剤付きの背あてパッド 都市部向けの販売好調
「ひんやり背あてパッド」(3190円)はランドセル用に開発した保冷剤付きの背あてパッド。吸水速乾素材「COOLMAX fabric」を使用し、凍らせた専用保冷剤を商品のポケットに入れることで、背中の蒸れを防ぐとともに小学生の背中を冷やし、熱中症を防ぐ。他社製のランドセルにも対応している。
年々、夏の暑さが厳しくなっていることを背景に、同社はランドセル用の対策グッズを商品化。これまでランドセル用に通気性を高める「背あてパッド」(1980円)を発売していたが、保冷剤で直接冷却する商品は同社にとって初めて。7月に今夏の新商品として発売したところ、登下校用の全グッズでの売り上げ(7月〜8月末)が前年同期比で2.2倍に増加。全グッズの中で新商品が占める割合が4割を記録するなど販売が好調だ。
特に東京都、兵庫県、神奈川県、大阪府、愛知県からの購入が多いという。ただ、同社は商品単体の販売数は開示していない。
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