実は米国生まれ 人気玩具「ゾイド」が歩んだ40年の歴史:経済の「雑学」(1/3 ページ)
人気玩具シリーズ「ゾイド」が40周年を迎えた。「動くプラモデル」として、長年、市場で存在感を示してきたが、実は米国生まれの商品。ゾイドはどのような歴史を歩んできたのか。その歴史を振り返る。
タカラトミーの人気玩具シリーズ「ゾイド」が40周年を迎えた。「動くプラモデル」として、長年、市場で存在感を示してきたゾイドだが、実は米国生まれの商品だ。ゾイドはどのような歴史を歩んできたのか。その歴史を振り返る。
米国生まれのゾイド 逆輸入で国内展開
「ZIODS」(ゾイド)は海外での販売に強みがあったトミーの米国法人が現地の子ども向け玩具としてを開発した。「ZOIC」(動物の)、「ANDROID」(人造人間)の単語を組み合わせた造語で、「ガリウス」「グライドラー」「エレファンタス」(いずれもゼンマイ駆動)の3商品を販売。売れ行きが好調だったことから「メカボニカ」と名前を変えて、日本に逆輸入させた。
だが、日本では販売が振るわなかった。そこで海外と同じく商品名を「ゾイド」に統一。ゼンマイやモーターを動力源とする「メカ生体」「金属生命体」と位置付け、1983年にリニューアルする形で子ども向け玩具として再出発した。
世界観の設定が好評 「動くプラモデル」として訴求
日本でゾイドとして発売する際、一工夫を加えた。世界観の設定だ。当時は『スターウォーズ』(1977年)、アニメ『機動戦士ガンダム』(1979〜80年)の人気が全盛の時代。ともに2つの陣営が宇宙空間で覇権を争うSF作品という共通項があった。
ゾイドもその流れを取り入れ、架空の惑星「Zi」にある「へリック共和国」と「ゼネバス帝国」という独自の世界観を設定。両国がゾイドを使ってバトルを繰り広げるというストーリーを作り上げた。この設定が後のアニメ制作にも反映されることになる。
恐竜の場合、化石を発掘し、骨格を組み立てるという工程がある。ゾイドも同じ工程を子どもたちに体験してもらおうと、開発者は接着剤不要の簡単な組み立て体験(当時のプラモデルは接着剤使用が主流)や、「生き物」という設定上、動力源を使った動きやその構造にこだわった。「動くプラモデル」として訴求することで、市場で先行するバンダイの「ガンプラ」(ガンダムのプラモデルの略称)と差別化する狙いもあった。
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