実は米国生まれ 人気玩具「ゾイド」が歩んだ40年の歴史:経済の「雑学」(2/3 ページ)
人気玩具シリーズ「ゾイド」が40周年を迎えた。「動くプラモデル」として、長年、市場で存在感を示してきたが、実は米国生まれの商品。ゾイドはどのような歴史を歩んできたのか。その歴史を振り返る。
大型ゾイド人気もストーリー迷走→販売低迷
バトルストーリーなどの世界観に加え、「ゴジュラス」「ウルトラザウルス」「シールドライガー」といった大型ゾイドなど多彩な商品ラインアップなどが子どもたちの心を捉え、売り上げを伸ばしたものの、同時期に任天堂の「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)が登場。『スーパーマリオブラザーズ』(85年)が歴史的大ヒットを記録し、子どもたちにとっての遊びの主役となりつつあった。
人気の一因となっていたバトルストーリーもヒーロー色が強くなるなど、迷走していた中、タミヤの「ミニ四駆」の大ブームがとどめを刺す形となり、第1期のゾイド事業は91年に終了した。同社の資料によると、8年間で国内累計1900万体以上を出荷したという。
アニメ連動で飛躍の「第2期」 出荷数旧シリーズ超え
ファミコンやミニ四駆の登場で終了を余儀なくされたゾイド。初のアニメ制作を発表するとともに99年に第2期がスタートした。1期でライバルとなったミニ四駆がブームになった一因はアニメとの連動だったためだ。結果的に、アニメ制作がゾイドの売り上げを伸ばすとともにファン層と認知度を広げることになる。
第2期の開始とともに毎日放送(MBS)が製作したシリーズ初のアニメ『ゾイド -ZOIDS-』(99〜2000年)は、手書きのアニメーションと、当時の最新技術だった3DCGを組み合わせるという手法でゾイドの世界を描いた。この手法は画期的で、同作品は現在でも名作として語り継がれている。
第2期は2006年を最後に一度休止期間に入ることになるが、『ゾイド新世紀/ゼロ』『ゾイドフューザーズ』『ゾイドジェネシス』のテレビアニメ4作品が制作され、日本国内と海外展開を合わせて、出荷数は2500万体以上を記録した。第1期を含めると、累計出荷4400万個以上、累計売上830億円以上の旧トミーを代表するIPとなった。
ゾイド事業の担当者は「具体的な数字は言えないが、第2期でファンの数が圧倒的に増え、ゾイドは間違いなく飛躍した。昭和ゾイドとは規模が違う」としている。タカラトミー内では、第2期ゾイドはアニメと連動し、売り上げを伸ばした代表的な成功例になっているという。
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