実は米国生まれ 人気玩具「ゾイド」が歩んだ40年の歴史:経済の「雑学」(3/3 ページ)
人気玩具シリーズ「ゾイド」が40周年を迎えた。「動くプラモデル」として、長年、市場で存在感を示してきたが、実は米国生まれの商品。ゾイドはどのような歴史を歩んできたのか。その歴史を振り返る。
子どもの視点を重視した第3期 世界観を刷新
第2期終盤の06年には、トミーとタカラの合併も経験し、“充電期間”に入ったゾイドシリーズ。社名がタカラトミーになった18年に、第3期「ゾイドワイルド」シリーズが始動した。
第2期の終了から10年余りが経過していたこともあり、「10年も経てば、子どもの好みやトレンドは大きく変わる。ゾイドを知らない人が多くなっていた」と同社担当者。シリーズ開始とともに、ゾイドの世界観や仕様を修正を加えた。
第2期までのゾイドは、戦闘機のように操縦者がコックピットに乗り込むような設定となっていたが、ワイルドシリーズでは、コックピットを廃止。乗馬のようにゾイドに操縦者が直接乗るようなスタイルに変貌させ、より“動物感”を高めた。
ゾイドもサイズ変更 意識した「子どもとの目線」
これに伴い、ゾイドのサイズも変更している。従来発売していたゾイドシリーズの商品は72分の1スケール。テレビアニメで描いた主人公の愛機「ブレードライガー」などのライガー級の機体になれば、作中での高さが9〜10メートルに達する。
一方、ゾイドワイルドシリーズの商品は35分の1スケールを採用。第3期で制作したテレビアニメの作中ではライガー級の機体でも3メートル程度になった。これにより、アニメの作中で、ゾイドの顔と主人公の顔が1つの画角に収まるようになった。
同社担当者はサイズの変更について「過去のゾイドシリーズでは主人公がゾイドを見上げる形になっていた。アニメで子どもたちとゾイドの目線を合わせるように描くことで子どもたちにとって、ゾイドをより身近な存在にしたかった」とその狙いを明かした。
新シリーズではその他、必殺技アクション「ワイルドブラスト」を新たに装備。プラモデル本体でも作中同様の動きを再現できるようにし、アニメの世界観にこれまで以上に没入できるようにした。
昭和・平成・令和の3世代にわたって事業が続いてきたゾイド。第3期の時期に入ると、第2期でゾイドに触れた当時の子どもが、親となり、自身の子どもと一緒に親子2世代で楽しむケースも増えたという。一時期の苦難の時代を乗り越え、40周年を迎えたゾイドシリーズは、50周年に向けてどのような歴史を歩むのだろうか。
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