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ECで買って店舗で受け取り ウォルマートが導入し話題の「新たな購買体験」とは:がっかりしないDX 小売業の新時代(2/3 ページ)
ECで購入した商品を店舗で受け取るBOPIS。米小売大手ウォルマートが先駆けて導入し、日本の小売業でも注目を集めています。今回は、9月に筆者が小売視察で訪れた米ニューヨークのBOPISの最新動向を紹介します。
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米ニューヨークでは多くの客がBOPIS利用
筆者が今年9月に米ニューヨークの小売視察に行った際も多くの大手および中堅小売業でBOPISのサービスを利用する買い物客の姿を見ました。
米小売業アプリでは簡単に商品を検索することができ、店舗での売り場位置を調べる機能があります。その機能の一環として、自宅への配送や店舗でのピックアップというオプションがあるのです。
顧客にとってのメリットは?
BOPISには、実店舗での購買体験と大きく違う利点が3つあります。
1)Webから商品をいつでもどこでも選ぶことができる
2)事前に商品を確保できる
3)レジに並ばずに決済を済ませることもできる
まず、BOPISの場合、アプリやサイトから隙間時間に商品を選ぶことができます。個々の商品情報も店頭よりオンラインチャネルの方が豊富であるため、商品を選ぶという点においての利点があります。また、購買履歴からリピート注文も容易にできます。
店舗に行く前に注文しておくことで、在庫商品を確実に入手することができ、欠品している商品が入荷してから取りに行くという買い方もスムーズにできます。
さらに、アプリやサイトで事前に決済することも可能であるため、混雑する店でレジ待ちする必要がありません。
また、BOPISは、通常のECにおける自宅での受け取りが難しい、あるいは受け取り時間が限られている――などの問題を解決することも可能です。
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