ミドル・シニアのIT転職「取るべき資格」は? プロが解説:Q&A 45歳からのIT転職
近年需要が高まるIT人材。ミドル層以上の転職に関する疑問を、Q&A形式で回答します。
連載:Q&A 45歳からのIT転職
近年需要が高まるIT人材。ミドル層以上の転職に関する疑問を、Q&A形式で回答します。
Q: 現在45歳で、IT関係の企業にエンジニアとして勤めています。良い転職を実現するには、どんな準備をしたらよいでしょうか? 採用側企業が見ているポイントを教えてください。
採用側が評価する「取るべき資格」とは?
A:これまでやってきたことをきちんと棚卸しするのが重要です。特に、苦労してきたこと、失敗してきたことをどう解消してきたのか。問題解決のプロセスを思い返して職務経歴書を作ることが、転職成功の鍵になります。
その上で、将来やりたいことを明確にすることです。今50代の方でも、70歳まで働かなければいけない時代がそこまで来ています。あと20年間どうありたいかという計画に向けて、自分に今足りないスキルを棚卸ししましょう。
例えば、技術者としてもう一回現場に立ってやりたいということでしたら、現場経験をもう一度積むのも一つの手です。技術力を持っていることを証明するために、資格を持つことも重要です。
例えば高度情報処理技術者試験であったりとか、AWS認定資格やMicrosoft Azure認定資格を持っていることで、その辺りの知識を体系だって理解していることを証明できます。「資格なんて関係ないよ」という方もいらっしゃいますが、非常にもったいないと思います。
採用側から評価される資格という観点でいえば、AWS認定資格であればアソシエイトよりもプロフェッショナル、ITパスポートよりも高度情報処理資格というように、やはり難易度の高い資格を持っている方が評価されます。
また、IT業界ではセキュリティに関する専門知識へのニーズが高まっています。最近実際にあった例としては、CISSP(セキュリティ プロフェッショナル認定資格制度)を持っている方が、40代後半でも未経験で、大手企業のセキュリティ関連のポジションに転職できた事例があります。
CISSPは日本で持っている人が多くないため、この資格を持っているとセキュリティの知識を一通り備えているというアピール材料になります。
他には、IPA(情報処理推進機構)が「DXに対応する人材」として定義する職種、例えばデータサイエンティストやUI/UXデザイナーといった職種のニーズは高いため、関連する資格を取得することも選択肢に入るでしょう。直近ではプロンプトエンジニアリングへの採用側の注目も高まっていますね。
こうした、新しい技術を積極的に身に着けようとしている方は、採用側にとっても魅力的に映るでしょう。
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