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フランス発「ティファール」の炊飯器が人気 「ザ・ライス」の特徴は?:あの会社のこの商品(4/6 ページ)
家電市場の中で炊飯器は、日本のブランドが強い。この市場に果敢に挑んだのが、日本でもおなじみのティファールだ。日本で初めて発売した炊飯器「ザ・ライス」は、どのような商品なのか。
伝統的な釜を基に開発した球状釜
ザ・ライスのもう一つの特徴は、内釜の形状が挙げられる。他社の炊飯器の内釜と比較して、幅広で浅い球状となっている。
特徴的な形状ではあるが、「昔から使われてきた伝統的な釜から想像してつくっています」と島村氏。浅いと火が入りやすく熱対流が起こりやすいことから、炊飯釜に適しているという。
浅くしたことのほかに採用した工夫は、上下に角度をつけたこと。底の両端が上がり、縁の近くで中央方向に絞り込まれている。大きな熱対流と熱の循環を促して加熱ムラを抑え、米の中心までふっくら炊き上げられるようにした。
釜の素材は鉄とアルミの2つ。熱伝導性に優れるアルミを内側、発熱効率の高い鉄を外側に配し、釜内を早く均一に加熱する。厚さが約3ミリと厚く、熱を蓄えて包み込むように炊き上げる。島村氏は次のように話す。
「強い火力でどれだけ米に熱を加えることができるかが、おいしいご飯を炊く重要なポイント。これを実現するために素材を選定し、簡単に冷えないよう厚くしました」
そして、熱が釜の外に逃げるのを抑えるため、縁を他のところより厚くして段をつけた。段をつけることで放熱を抑え、釜の中に熱を閉じ込めて熱循環を促すようになっている。
球状釜にたどり着くまで試作した内釜は20個ほど。おいしさとデザイン性の高さを両立させることを念頭に、いろんなパターンをつくった。
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