「スナック」がニッポンの成長産業になる、これだけの理由:スピン経済の歩き方(3/7 ページ)
スナックが注目を浴びている。日本人というよりも、外国人観光客が「日本文化」を楽しむために、スナックツアーが盛り上がっているそうだ。人口が減少していく日本で、スナックは成長産業になる……?
スナックはボッタクリトラブルが少ない
まず、(1)の「『明朗会計』の店が多いのでトラブルが少ない」は納得だろう。ナイトタイムエコノミーで絶対的に大事なのは「ボッタクリ」ではないことだ。みなさんも海外旅行に行ってボッタクリにあったら旅の思い出は最悪になるだろう。
その点、ホストクラブやキャバクラ、高級クラブは危ない。座ってチャージがいくら、高額ボトルやドリンク、延長料金などで料金がどんどん高くなっていくシステムなので、外国人観光客の感覚でボッタクリになってしまう恐れもある。
その点、スナックの多くは「1時間歌い放題で3000円」など明朗会計でやっている店が多い。ママやバイトの女性にお酒をご馳走しても1000〜2000円程なので、ボッタクリトラブルが少ない。
また、観光客は「普通の日本人との触れ合い」を求めているが、ホストクラブやキャバクラは指名をとって同伴や、高額ボトルを入れさせるという、いわゆる「色恋営業」がメインなので、一見の外国人観光客が一晩で楽しむというスタイルにはちょっとそぐわないのだ。
(2)の『カラオケやママの手料理を通して「日本文化」が発信できる』は、先ほどのニュースが分かりやすい。「スナックはしごツアー」に参加した外国人観光客は、中島みゆきやOfficial髭男dismの曲を歌っていたという。
アニメを含めて日本のエンタメを好きな外国人は多い。仲間同士でカラオケボックスで日本のアニメソングを歌うのも楽しいだろうが、スナックで常連客らと一緒にカラオケをして、これまで聞いたことがない日本の「演歌」「歌謡曲」に触れて、「あ、これ聞いたことある」なんて楽しむのは、外国人観光客にとってはかけがえのない「旅の思い出」だろう。
そこに加えて、スナックによってはママが「お通し」としてちょっとした手料理を振る舞ってくれるところがあり、それが外国人観光客にとって「異なる食文化との出会い」になることもある。
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