仕事のできる新入社員ほど「ビジネスマナー」を重視していない なぜ?
「配属後に最も意識していきたいこと」について、配属後のパフォーマンス発揮度合いが高い人と低い人の間で、回答差があったことがNEWONE(東京都千代田区)による調査で明らかとなった。パフォーマンス発揮度が高い新入社員はどのようなことを意識しているのか。
配属後の自身のパフォーマンス発揮度合いを「低い」と捉えた新入社員ほど、「ビジネスマナー」を重視していることが、人材育成サービスを手掛けるNEWONE(東京都千代田区)の調査で分かった。
一方で、パフォーマンス発揮度合いを「高い」と捉えていた新入社員は、ビジネスマナーよりも別に重視している項目があった。どういった項目なのか――。
ハイパフォーマーな新入社員が重視することは?
調査は、2023年度に入社した新入社員を対象とし、593人から回答を得た。
配属後、自身に期待される役割に対して「十分なパフォーマンスを発揮できている」「まあまあ発揮できている」と答えたのは全体の73%、「あまり発揮できていない」「ほとんど発揮できていない」は26%だった。
配属後に重視したい意識について問うと、配属後のパフォーマンス発揮度合いを「高い」と捉えていた新入社員は、「相手視点・主体性」を重視する傾向が見られた。
一方で、パフォーマンス発揮度合いを「低い」とした新入社員は「基本行動(ビジネスマナーの徹底)」と回答する傾向が高く見られた。
調査したNEWONEは「職場に行ってから強く求められる相手視点や主体性に意識を向けている人が、配属後にも活躍しやすい傾向にあると考えられる」とコメントする。
配属後の手応えは人間関係に左右される?
配属後に「この環境でうまくやっていけそう」という手応えを得られた新入社員にその理由を尋ねた結果、「良い人間関係を築けた」で34.8%でトップ。
一方で「手応えを得ることができなかった」とした人の理由は「良い人間関係を築けなかった」が最多で35.4%だった。
どちらも人間関係を理由とし、配属後に自社でキャリアを築いていくための自信が持てるかどうかは人間関係が大きく影響すると考えられそうだ。
配属後のパフォーマンス発揮度合いが高く、仕事や環境にも満足感を持っていると回答した新入社員に共通することとして「人事の関わりに満足している」という傾向が見られた。
同社は「人事の手厚い関わりによって組織への愛着が向上していることや、そもそも環境・人事に不満を持たないスタンス(自責思考)が身についている人が配属後も良い状態である割合が高いと考えられる」と推測する。
新入社員が配属前に感じている不安とは
「配属前に感じている不安」を職種別に見ると、成果を求められる環境が多い「営業・マーケティング」では、配属後の「時間の使い方や同期との差」に不安を感じている傾向が見られた。
一方で、専門性が高く求められる管理部門系(総務・財務・人事)では「上司に相談できるかどうか(上司との関係性)」に不安を抱えている傾向が強かった。
生産管理では「1年後のキャリアイメージ」が最も多く挙がり、ルーティンワークの多い傾向が強い職種では短期的なキャリア形成に不安を感じている人が多い傾向も見られた。
調査は8月23〜30日にインターネットで実施した。
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