25年も苦戦していたウイスキーが、なぜ人気なのか “暗黒時代”を変えた、ある商品:サントリーのウイスキーが100周年(4/5 ページ)
サントリーが山崎蒸溜所をリニューアルして、新たなツアーを開始する。同蒸溜所の建設に着手してから100年を迎えたが、これまでの歩みは順風満帆ではなかった。
1缶600円の「プレミアムハイボール」も話題に
ジャパニーズウイスキーの盟主として、国産ウイスキーの黎明期を支えるとともに“暗黒時代”から脱却するきっかけも生み出してきたサントリー。直近でもさまざまな取り組みを打ち出している。
例えば、コロナ禍の21年には、リモート蒸溜所ツアーを開始。無料のものだけでなく、自宅に配送されるツールを使ったテイスティングタイムなどがある有料ツアーも展開した。従来の蒸溜所ツアーではどうしても一方的な情報発信になりがちだったところ、オンラインでは双方向的なやり取りもできることから好評を博していたという。
また、23年には飲食店でVR双眼鏡を使った工場体験ができる「ファクトリー・トレック!」もスタート。料理と酒を楽しみながら工場見学できる新しい体験が注目を集め、こちらも満足度が高い。なお、「リモート蒸溜所ツアー」と「ファクトリー・トレック!」ともに、山崎蒸溜所のリニューアルに伴っていったん終了している。リモートでの需要は依然高いと分析しており、あくまで「休止」という扱いだ。
市場シェアが高いハイボール缶では、主力の「角ハイボール缶」を1月にリニューアル。炭酸ガス圧を高めたり、レモンの香りを感じやすくしたりして、より飲食店での味わいに近づけた。
「サントリーウイスキー100周年」を記念した「サントリープレミアムハイボール〈白州〉」「サントリープレミアムハイボール〈山崎〉」もそれぞれ6月と8月に展開。いずれも350ミリリットル入りで600円(税別、希望小売価格)と、缶入りのハイボールとしては異例の高価格だ。しかしながら価格に負けない本格的な味わいが評価され、SNSを中心に話題を呼んだ。
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