6年前に「社員寮」を建てて、どんな“効果”がでたのか 50%→0%の数字に驚き:水曜日に「へえ」な話(4/5 ページ)
大阪に本社を置く「三和建設」が気になるデータを出してきた。6年前に寮を建てたところ、ある数字が劇的に下がったというのだ。どういうことかというと……。
部屋はあえて狭くした
寮のコンセプト2つめは「必要以上に自分の部屋にこもらないこと」である。どのような工夫をしているのか、寮のプロジェクトを担当している松本孝文さん(執行役員 大阪本店次長)に聞いた。「ワンルームの場合、広さは20〜25平米が多いですが、この寮は15平米ほどとあえて狭くしました」という。「ははーん、分かったぞ。部屋を狭くして、居心地を悪くしているんでしょ」などと思われたかもしれないが、半分当たっている。
部屋は狭いので、「広いところでのんびりしたいなあ」と感じたときには、リビングやダイニングなどに足を運べばいい。寮をつくる側はこのような狙いがあったわけだが、部屋がものすごく狭いというわけでもない。いや、狭く感じられないような設計にしているのだ。
間取りを見ると、床下に空間を設けることで、そこにモノを収納できるようにした。また、部屋の中にロフトがあって、そこにベッドがある。その下に机があるので、ここで勉強や読書などができる。決して広いというわけではないが、空間をうまく使って、テレビ、テーブル、ソファなども置けるようにした。
1階にキッチンがあるので、各部屋にガスコンロなどはない。またバスタブをなくして、シャワーのみとした。寮の中に大浴場があるのかしらと思いきや、ない。「寮の近くに銭湯があって、大きな風呂でくつろぎたい人はそこで……と思っていたのですが、数年前になくなってしまいまして。ちょっと困っています」(松本さん)とのこと。
はっ、やや紹介が遅れてしまったかもしれないが、この寮の名前は「ひとづくり寮」。大阪市淀川区にあって、入社1年目の社員は全員、入らなければいけない。費用は1年目が月8000円、2年目以降は月1万8000円(いずれも光熱費込み、喫煙者は月2000円アップ)。
希望者は継続して暮らせるものの、上限は3年目までとしている。「年配の人がたくさんいると、若い人が委縮するかもしれません。そうなってはいけないので、上限を設定しました」(松本さん)。寮は全20室あって、現在入居しているのは10室ほどである。
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