GMOインターネットグループは2023年4月から「AI(愛)しあおうぜ!プロジェクト」を立ち上げ、AI活用による生産性向上や、既存サービスへのAI機能実装、AI産業への新サービス提供を進めている。
現在国内従業員の66%が業務において生成AIを活用。生成AIを活用した結果、1カ月あたり約9万6000時間、国内パートナー数の約10%にあたる600人相当の業務時間を創出したことが、同社が従業員を対象に実施した調査で分かった。
同社の社員は具体的に業務で生成AIをどのように活用し、それぞれ効率化に成功したのか。詳しく見ていこう。
生成AI活用で業務はどう変わった?
調査は11月、GMOインターネットグループの国内パートナー(正社員、派遣社員、アルバイト)5877人を対象に実施した。
従業員の71%が業務において「AIを活用している」、66%が「生成AIを業務に活用している」と回答した。
生成AIを業務に活用している従業員の96%が、1日当たり15分以上の業務時間を創出したと回答。「1日あたり1時間」創出したパートナーが31%と、最も多かった。
全体で見ると、1カ月あたり約9万6000時間、国内パートナー数の約10%にあたる600人相当の業務時間を創出したことになるという。
さらに、95%が「生成AI活用で仕事のアウトプットの質向上につながっている」と感じている結果に。
具体的な事例を見ると「メール文面の土台の作成」「トークスクリプトのアイデアだしや、アイデアをもとにしたアウトラインの作成」(それぞれ1カ月当たり10時間の削減)、「コンテンツマーケティング用の記事の作成や誤字脱字チェックなど」(1記事当たり2時間の削減)、「ランディングページのペルソナ設定や構成案の作成」(1件当たり2時間の削減)が挙がった。
実際にAI活用を行う従業員からは「今まで10時間以上かかっていた大量のユーザーコメントの傾向・感情分析を自動で行えるようになった」「目視で行っていた社内アンケートの自由記述欄の定性分析が自動でできるように。他の業務と同時並行してできるようになったため、効率が格段に向上した」「DALL-E 3を活用し、今までは1カ月かかっていたキャラクターのモックアップが数日で確定できるようになった」という声が聞かれた。
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