ドンキの「着るこたつ」が「動けるこたつ」に進化! 物価高なのに、2000円値下げできた意外なワケ(2/2 ページ)
ユーザーからの“ダメ出し”をもとに改良したところ、結果的に値下げにも成功した商品がある。ドン・キホーテで今年10月から発売している“着るこたつ”こと「動けるこたつウェア」だ。
ダメ出しで2000円コストカットに成功
同商品の前身は、昨年ホカロンとコラボして発売したこたつウェアだ。厳しい寒さの半面、高騰する電気代に頭を悩ませていた消費者から「エアコンを使わなくてもあたたかく、節約になる」と人気を集めた。
サイズや着用方法など基本的な仕様は、現在発売中の動けるこたつウェアとほぼ同じ。だが、電源がコードタイプだったため、その範囲内でしか利用できなかった。そのため、ユーザーからは「コードどうする?」「USB式だったらよかったのに」「モバイルバッテリーで使えるようにするとあちこち移動できる」「動けないぜ」「末端冷え性の気持ちを全然分かってない」といったダメ出しが寄せられた。
そこで開発部は、電源をコードタイプからUSBタイプに変更。こうすることでコードの長さ=可動範囲だったところが、家の中を自由に動けるようになった。また、モバイルバッテリーを使用することを想定し、胸元にポケットを設置した。
この改良は思わぬ効果もあった。コード部分をなくしたことで、結果的にコストカットが実現。こたつウェアが1万1800円だったのに対し、動けるこたつウェアは9980円と、機能性はアップしながら2000円の値下げに成功した。
コードレスにしたことで稼働範囲も広がり、歩きやすさや動きやすさも必要となった。そこで、足元に歩きやすくするためのファスナーを設置。チャイナドレスのようなスリットをあらかじめ入れるのでなく、ファスナーにすることで、それぞれの歩きやすい長さに調節可能とした。また、足元から冷気が入らないよう、マチ付きの足ポケットを裾に加えることで、足先までしっかりあたためられる工夫も施した。
電気代の高騰による節約意識の高まりから、エアコンを使用せず暖がとれる「着るこたつ」が人気を集めている。ワークマンが、職人向けに発売したヒーターウェア「WindCore ヒーターシリーズ」は、バイク、釣り、ゴルフなど、趣味に使用するために購入する人が増加。今年は、寒くなる前に女性が購入するケースも目立っているという。ダメ出しを反映した動けるこたつウェアは、消費者の支持を得られるか。
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