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グッチ本国でストライキ、何があった? ローマオフィスの移転を巡る食い違い:揺らぐ高級ブランドの内部
ローマのファッションブランド、グッチの従業員数十人が11月27日、ストライキを行った。いったい何があったのか? オフィス移転を巡る、労使の食い違いとは。
ローマのファッションブランド、グッチの従業員数十人が11月27日、ストライキを行った。デザインオフィスをイタリアの首都からミラノに移転するという同社の決定に反対の意を示した。
同社が10月に労働組合に伝えたこの決定では、219人の従業員のうち153人が3月頃までに北へ約500キロ(311マイル)離れたミラノに異動することになる。
真の目的は「人員削減」なのか、それとも? 食い違う主張
労働組合CGILの地域事務所によると、グッチの決定は客観的な理由に裏打ちされておらず、真の目的は人員削減であると考えざるを得ないという。
一方、グッチの広報担当者はロイターに対し、今回の移転は「人員削減を伴うものではない」と述べた。
「ミラノへの移転により、クリエイティブディレクターと関係するさまざまなチームは、すでにミラノに拠点を置いている当社の戦略部門と密接に協力する機会を得ることになる。これにより、必要な相互作用とシナジーを最大限に活用できる」(同広報担当者)
2022年にクリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが退任した後、グッチの親会社であるケリング(フランス・パリ)は、最大のブランドであるグッチの売り上げの勢いを再び取り戻すべく、経営陣を交代させている。
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