連載
ゼクシィの「同性カップル広告」狙いはどこに? 背景に未曾有のブライダル不況:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
結婚情報誌「ゼクシィ」の広告が話題になっている。JR渋谷駅の近くに、同性カップルや事実婚のカップルを起用したところ、賛否両論の声が……。
「あなたが幸せなら、それでいい」――。
そんなキャッチコピーとともに、同性カップルや事実婚のカップルを起用した大型広告がJR渋谷駅に設置され、これを仕掛けた結婚情報誌「ゼクシィ」に対して、さまざまな意見が寄せられている。
「社会に問題提起をした大変意義のあるキャンペーンだ」
「時代の変化を感じるが、一方で同性カップルの婚姻制度や差別的な扱いは何も変わっていない」
「同性カップルは否定しないが、わざわざ少数派を広告にするのは意識高い系企業ってアピールしたいだけでは?」
いずれにせよ、昨今、日本社会で議論になっているLGBTQ問題に対して、日本を代表する結婚情報誌が一石を投じた形だという認識なのだ。
ただ、意地の悪いことを言うわけではないが、筆者の目には、今回ゼクシィが同性カップルを「顔」として取り上げたのは、社会への問題提起だなんだという意見広告的な話ではなく、ごくシンプルに「新規顧客開拓のため」にしか見えない。
もっと具体的に言えば、LGBTQ層の当事者だけでなく、これらの層を支援・支持することによって生まれる「レインボー消費」をうまく取り込むことによって、急速にシュリンクしている結婚式場市場を少しでも活性化しようというマーケティングだ。
関連記事
- 「ゆで太郎」の“弟分”「もつ次郎」が、急成長しているワケ
立ち食いそばチェーン「江戸切りそば ゆで太郎」の弟的存在の「もつ次郎」が急成長している。店舗が増えているのは併設店が多いからだが、シナジー効果を発揮していて……。 - 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』――最も高い家に住んでいるのは? 査定してみた
国民的アニメの主人公は、どんな家に住んでいるのでしょうか? 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』の自宅を査定したところ……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.