ドンキの「動けるこたつ」はどうやって誕生した? 背景にある商品戦略の変更とダメ出しの殿堂(2/2 ページ)
ドン・キホーテは、利用者のダメ出しを募集する特設サイト「ダメ出しの殿堂」を開設している。これまで、どのように商品を改良してきたのだろうか。
「色がダサい」とダメ出し
今秋発売した「もっちリラックス低反発座椅子」も、消費者の声を受けて改良している。もともとは、シリーズ累計で10万台以上売れていた人気の座椅子だった。「低反発ウレタンで沈み込むような座り心地」「使わない時は二つに折りたたんでコンパクトに収納」といったアピールポイントがあった。カラーは、ブラック、マロンブラウン、マルセーユイエロー、アッシュブルーを用意していたが、消費者からは「色がダサい」「1カ月で飽きる」といった声が寄せられていた。
そこで商品開発担当者は理想の色を探るために同社の女性社員にアンケートを実施。近年流行している「くすみカラー(彩度が低くグレーっぽさがあるのが特徴)」を採用した。新たに用意した色はピーチ、ミント、セサミラテの3種類だ。
ドンキが消費者の声を積極的に集めるようになったのは21年2月からだ。PBの「情熱価格」をリニューアルするのに合わせて、利用者のダメ出しを募集する特設サイト「ダメ出しの殿堂」を開設した。
「量が多すぎるから食べきれない」「パッケージから商品がイメージできない」といったような、消費者が感じたことを気軽に投稿できる仕様とした。当時のプレスリリースでは「投稿は真摯(しんし)に受け止め、お客さまが本当に求める商品へ改善するなど、新たな商品開発につなげてまいります」とうたっている。
こうした施策に取り組むことになった背景には、安さだけを追い求めた結果として、ドンキらしさ(ワクワク・ドキドキ)が感じられない商品ばかりを販売していたことへの反省がある。
公式Webサイトによると、現在のダメ出し数は3万2274件、ダメ出しから実際に生まれた新商品は39にのぼるとしている。
新商品には今後、どのようなダメ出しがされるのだろうか。
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